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2023 年度 実施状況報告書

小児急性脳症マウスモデルの確立と低体温・平温療法の効果の比較検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K16637
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

野坂 宜之  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30713961)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード急性脳症 / マウスモデル / 低体温療法
研究実績の概要

昨年度より低体温管理の成果を評価できる長時間の集中治療管理に耐えうるマウス脳浮腫モデルの作成に取り組んできた。本年度はリサーチアシスタントを雇用し、上記マウス脳浮腫モデル確立の加速を目指した。論文をもとにしたマウス脳浮腫モデルにおける短時間の観察では、コントロールマウスと比較して脳浮腫が起こっていることは確認された。しかし同時に、重篤な呼吸障害ならびに腎障害、代謝不全を始めとする多臓器不全が認められた。特に強い代謝性アシドーシスと極度の電解質異常(高カリウム血症)が原因で、当初計画した実験介入時間(人工呼吸器管理6時間)を完遂できないままに致死的不整脈が生じ死亡してしまうため、長時間の人工呼吸管理・評価が困難である事が現時点における問題となっている。上記の理由として急激な細胞外液減少を念頭に置き、細胞外液負荷による改善策などを検討しているが、いまだ解決に至っていない。これらの転帰はいずれも急激な高体温処理に依存している可能性が高いと現時点では考察している。当初の計画においては2つの異なる脳症モデル(①サイトカインストーム型脳症:リポポリサッカリド前処置+高体温40度処理 ②テオフィリン前投与+高体温40度処理)を提案したが、どちらも高体温処理が必要であることが共通している。そこで、高体温処理を避けるモデルの再確立が重要と考えており、具体的にはリポポリサッカリド脳浮腫モデルなどの可能性を模索している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

論文発表されているマウス脳浮腫モデルをもとに研究提案を行ったが、当該モデルでは人工呼吸・低体温管理を長時間完遂することが難しかった。輸液負荷の調節などモデル作成方法の微調整も行ったが、結果として研究目的を完遂できるモデルの確立には至っていない。本研究において取り組みたい集中治療管理介入を完遂できるための、長期間生存可能な脳浮腫モデルの作成がさらなる進捗に向けた鍵である。

今後の研究の推進方策

リサーチアシスタントの雇用を継続し、作業の時間的効率をさらに改善する。また、脳浮腫モデル作成方法について抜本的な修正を検討している。具体的には、既に複数報告されているリポポリサッカリド脳浮腫モデルを活用し、サイトカインストーム型脳症に類似するマウス脳浮腫モデルを集中治療・低体温管理下で確立できるよう、取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

モデルの確立が達成されておらず、当初の計画に掲載したサイトカイン評価に必要な装置、アクセサリー、試薬の購入が実施されていない。モデルの作成・確立を急ぎ、確立された暁には上記物品の購入を行い、解析を進める予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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