研究課題/領域番号 |
22K16639
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
趙 晃済 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00706707)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 敗血症 / 肥満症 |
研究実績の概要 |
新型コロナによる研究活動制限のため計画が遅れていたが、まず本研究の大きな2つのテーマの1つ目であるAM脂肪特異的ノックアウトマウスにおける基本プロファイル確認については、aP2-creおよびadiponectin-creをそれぞれ用いた異なる2系統の脂肪組織特異的AMノックアウトマウス、そして肝臓でAMを産生するAM過剰発現トランスジェニックマウスを用いて、これらの体長、体重、血圧、食餌量、血液生化学検査、AM血中濃度、AM組織発現、心エコー、尿中カテコラミン、臓器の遺伝子学的検討(心臓、肺、大動脈、腎臓、肝臓、内臓脂肪、皮下脂肪、褐色脂肪を想定)などの評価を可及的に行った。 一方で臓器の組織学的、免疫学的評価については十分な検討を加えるに至らなかった。また新しくAM脂肪特異的ノックアウトマウスとAM過剰発現トランスジェニックマウスの交配によって、欠損している表現型が回復する現象が確認できた。これは治療薬としての可能性を示唆するものである。 次に本研究のテーマ2つめとして敗血症ショックモデルの作成と解析については、通常食飼育および高脂肪食負荷環境の野生型マウスとAM脂肪特異的ノックアウトマウスにおいて敗血症モデルを作成し、その表現型の解析を通じて、敗血症重症化の機構を探るものである。敗血症モデルとしてはcecum ligation puncture法およびLPS腹腔内投与法で行い、対照群に盲腸の膨出のみを加えたSham 群や生食投与群を併設し、両群において一定時間ごとに生存率、血行動態の解析、臓器障害、血中サイトカイン濃度および脂肪組織をはじめとする各臓器におけるサイトカインなどの炎症関連遺伝子発現、炎症細胞浸潤などの解析を行うことを予定していた。 こちらについてもAM脂肪特異的ノックアウトマウスとAM過剰発現トランスジェニックマウスの交配群で死亡率に改善の傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの影響残存と、マウスの交配に難渋し、個体数の確保が困難であったことから想定通り研究が進まなかった
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今後の研究の推進方策 |
実験用マウスの系統が多岐にわたるため、入念に管理し計画的におこなっていく
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次年度使用額が生じた理由 |
年度をまたぐことによって研究の進展が見込まれるため
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