研究課題
脳血管奇形は中枢神経系に生じる異常血管の集簇であり、出血性脳卒中の原因として重要である。脳血管奇形においては、これまで家族性例の原因遺伝子異常の導入によりモデル動物が作製されてきた。一方ゲノム解析技術の向上に伴い、患者の多くを占める孤発性血管奇形症例において病因となる体細胞遺伝子変異の同定が近年もなされている。そこで本研究では、近年報告された脳血管内皮細胞を特異的に標的とするAAV (adeno-associated virus)を遺伝子導入用ベクターに用い、脳血管奇形原因遺伝子変異を導入することで、血管奇形の病態を高度に再現するモデル動物の作製を目指す。先行研究において眼窩内海綿状血管奇形に同定したGJA4変異を導入したマウスの作製を進めた。変異型Gja4のcDNA配列を組み込んだコンストラクトを作製した。今後、これをAAVベクターに持たせマウスへの投与を行う。また、同Gja4変異を全身性にノックインしたマウスの作製を進めた。今後繁殖し血管異常の評価を行う。
3: やや遅れている
AAVベクターのマウスへの投与を行えなかったため次年度行う。
変異型Gja4のcDNA配列を組み込んだコンストラクトをAAVベクターに持たせマウスへ投与し、異常血管の形成を評価する。
変異型Gja4コンストラクト作製に時間を要したためAAVのマウスへの投与を行うことができず、次年度使用額が生じた。次年度、AAV作製に使用する。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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