脳血管内皮細胞特異的AAVベクターを用いた新しい脳血管奇形モデル動物の作製

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22K16677
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分56010:脳神経外科学関連
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 本郷 博貴 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80908682)
• 研究期間 (年度): 2022-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 脳海綿状血管奇形

研究成果の概要

脳血管奇形は中枢神経系に生じる異常血管の集簇である。これまで家族性例に生殖細胞変異として同定された遺伝子変異の導入により疾患モデル動物が作製されてきたが、これらのモデルのみでは病態を十分に説明しきれていなかった。そこで本研究では、先行研究で眼窩内海綿状血管奇形において体細胞変異として新規同定したGJA4変異を血管内皮細胞特異的に導入したマウスを作製した。LoxP-stop-LoxP-変異型Gja4を導入したマウス（floxedマウス）を作製し、これをTie2-Creマウスと交配することにより血管内皮細胞特異的Gja4ノックインマウスとした。変異型GJA4を発現したマウスは胎生致死であった。

自由記述の分野

脳血管疾患

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究はGja4変異が血管内皮細胞に対して有害であることを示唆し、GJA4変異が血管奇形の直接の原因となっている可能性を支持するものと考えられた。今後詳細な組織学的解析や分子生物学的な解析を行うことにより、血管奇形の形成に関わる詳細な病態の解明、延いては新規治療法の開発につながる知見の獲得が可能となることが期待された。