・進行中であった髄芽腫のSLFN11の研究に対して同一の実験系を利用して共同研究を行った。長期生存が期待できる髄芽腫のWNT-activated sub groupとSHH-activated groupの一部にSLFN11が高発現していること、またSLFN11の発現にはpromoterの低メチル化が関与していることを示した。また、SLFN11の強制発現株と欠失細胞株においてシスプラチンなどの薬剤感受性の変化がおこることを示した。また、頭蓋内移植モデルにおいてはSLFN11陰性細胞株に対し、histone deacethylase-inhibitorがシスプラチンの感受性を上昇させ、SLFN11高発現株においてシスプラチンの感受性を向上させることを示した。 ・SLFN11発現悪性神経膠腫細胞株に特異的に殺細胞効果を示す薬剤をスクリーニングの実験系の予備実験を行った。SLFN11発現細胞株(JHH-DIPG TetONSLFN11)株とSLFN11非機能型変異株(JHH-DIPG TetON SLFN11 mut)を樹立。それぞれの株を96well plateに播種しスクリーニングの系を樹立した。プレスクリーニングとしてテモゾロミドを用いたアッセイを施行し、JHH-DIPG株がスクリーニングに耐えられることを確認した。薬剤ライブラリを予定通りに購入しスクリーニングの計画を行っているところである。
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