研究課題/領域番号 |
22K16691
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤本 健二 熊本大学, 病院, 医員 (70844413)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | PCNSL / PDXモデル / メソトレキサート耐性 |
研究実績の概要 |
悪性脳腫瘍である中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)の標準的治療は寛解導入療法としての大量メソトレキサート(HD-MTX)療法を基盤とする化学療法と、それに続く地固め療法である。一旦寛解しても再発率は非常に高く、その際にはHD-MTX基盤化学療法を再チャレンジすることが多い。 本研究ではPCNSLの細胞株やPatient-derived xenograft (PDX)モデルを作成し、それを用いてMTX耐性モデルを確立する。MTX耐性機序を明らかにし、さらにMTX耐性獲得後のPCNSLに対する新規治療法を開発することを目的とする。 今年度は、自施設でPCNSLの細胞株やPDXモデルを樹立すると同時に、横浜市立大学脳神経外科の立石健祐先生を中心とするグループから3株のPCNSLのPDXモデルを共同研究として供与して頂いた。同PDXモデルはいずれもPCNSLに特徴的なMyD88 mutationを有していた。MTX耐性モデルを樹立するために、マウス脳内にPCNSL細胞株を移植することでPDXモデルを作成し、その後、マウスに十分量のMTX投与およびロイコボリン救援による治療を行った。さらに、その腫瘍を他のマウスに継代し、治療を継続することでMTX耐性モデルを作成することに成功した。それぞれにPCNSLのPXモデルにてMTX耐性モデルを作成できており、vehicle投与群との比較実験が行える体制を整えることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で、PCNSLのMTX耐性モデルの作成に成功しており、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
3つのPCNSLのPDXモデルにおいてMTX耐性モデルを作成し、vehicle投与群も含めてRNA seqを行うためのlibrary作成まで終了した。今後はMTX耐性モデルにおいて、どのような遺伝子の発現変化が起こっているかをRNA sequenceによる網羅的発現解析にて行う予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
RNA sequenceを行うには今年度の残金が少なかったため、次年度に持ち越すこととした。次年度にRNA sequenceの費用の一部として使用する予定としている。
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