研究課題/領域番号 |
22K16711
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤田 健司 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (80623644)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脂肪由来幹細胞 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
in vitroの研究では、RT-PCTによる評価で軟骨分化誘導を行った脂肪由来幹細胞がアスコルビン酸による処置でシート状構造を形成しても、その細胞の遺伝子特性が変化しなかったことが分かった。また、Toluidine blue染色では軟骨でみられる糖鎖の分泌がPRPによる分化誘導を行った細胞群でも認められ、アスコルビン酸処置でも変わらず分泌が見られた。これは軟骨細胞への分化の可能性を示す一つの結果と考えられる。vivoでの実験では、巨視的な評価、および組織学的評価において、実際にPRPによる軟骨分化誘導を行ったADSCをシート化した軟骨形成細胞シートをウサギ変形性膝関節症モデルに投与することで、変性の抑制効果が早期より見られたことを示した。免疫化学染色による評価では、軟骨基質の主成分であるアグリカンやコラーゲンの分解酵素であるMMP-1やMMP-13、ADAMTS-4の発現抑制を認めており、これらは関節軟骨の変性抑制効果を示していると考えられた。 軟骨分化誘導を行った脂肪由来幹細胞のシート化により、軟骨形成細胞を多量に関節内投与が可能であると考えられるが、その投与された細胞の多くは、DiI labelingで示されているように実際に関節軟骨に生着して軟骨細胞として機能するのではなく、周囲の滑膜に生着して、周囲からのサイトカインの分泌により関節軟骨の保護作用を示していると考えられた。 今後、in vitro、in vivoともに更なる評価が必要ではあり、現在進行中であるが、変形性関節症に対する軟骨形成細胞シートの関節軟骨保護における効果は期待できるものであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroの実験についてもin vivoの実験においても、おおよそ予定通りの進捗となっている。次年度で凡その実験結果が出そろい、最終年度では結果をまとめるに至れる進捗と考えます。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroにおいては、ELISA法を用いて脂肪由来幹細胞から分泌され関節軟骨の変性に関与しているとされているVEGF-Aを評価したい。分泌の抑制が見られればそれも変形性関節症に対する軟骨保護作用を示す一つの材料になると考える。また、in vivoの研究では個体数がまだ少ないので、個体数を増やすことにより、より結果に影響を及ぼすと考えられる。実験が終了したのちには、その結果の評価を行い、国内・国外を問わず発表を行い、論文として発表することがこの研究における今後のvisionである。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はおおよそ予定通りに実験は進行したものの、一部次年度へ持ち越した実験があり、その分残額が生じました。次年度は持ち越した実験に加え当初の予定通りの研究が進行予定です。またこれから実験動物の個体数も増え、使用薬品なども増えるため、今年度は使用額に残額がありましたが、これから使用が増える見込みです。
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