研究課題/領域番号 |
22K16718
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
倉田 慎平 奈良県立医科大学, 医学部, 特任助教 (20833990)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 鎖骨遠位端骨折 / 烏口鎖骨靭帯 / 人工靭帯 |
研究実績の概要 |
鎖骨遠位端骨折の制動に関わる円錐靭帯の生体力学的研究を実施した.研究の内容と結果は以下のとおりである. <方法>6体の新鮮凍結屍体(男性5肩,女性1肩;平均年齢71歳[41-87])を用いた.検体は胸骨及び右側の鎖骨,肩甲骨を取り出し,創外固定器を用いて実験装置に接続した.転位量は電磁気3次元位置センサーを用い,鎖骨近位及び遠位骨片に挿入し計測した.遠位骨片に菱形靭帯,近位骨片に円錐靭帯が付着する位置で鎖骨を前後に骨切りし鎖骨遠位端骨折モデルを作成した.円錐靭帯切離後にSBTを用いた円錐靭帯再建を行った.烏口突起基部と鎖骨の円錐靭帯付着部に作成した骨孔を用いた解剖学的再建と,烏口突起基部と円錐靭帯付着部から鎖骨前後幅2/3前方に作成した骨孔を用いた前方再建の2種類の再建を行った.骨折のみ作成し円錐靭帯切離する前のC群,解剖学的再建を行ったAnat群,前方再建を行ったAnterior群の3群について検討した.骨切り前の鎖骨近位及び遠位部の位置を基準とし,鎖骨近位部に上方向及び後方向に70Nの負荷を加えた際の遠位骨片に対する近位骨片の上方及び後方転位量を各群において計測した.近位骨片の上方及び後方転位量を骨切り部の鎖骨の上下幅及び前後幅と比較し各々の転位率を計測した.検定にはMann-WhitneyのU検定を用いた. <結果>上方牽引時の上方転位率はC群:48.2%,Anat群:21.4%,Anterior群22.3%であり,各群間で上方転位率には有意差を認めなかった.後方牽引時の後方転位率はC群:42.6%,Anat群:16.7%,Anterior群32.7%であり.Anat群がC群よりも有意に後方転位率が低かった(P=0.046).他群間において後方転位率に有意差は認めなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度報告した研究に関しては論文投稿中である.今年度報告する研究に関しては学会発表の後に論文作成を予定している.
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今後の研究の推進方策 |
上記と同様,英語論文を作成予定である. 以後今回の研究結果を踏まえてさらに研究を進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表を本年度予定しているため,使用額を残しておく必要があったためです. 引き続き研究を進めていく予定である.
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