研究実績の概要 |
人工膝関節置換術を施行する内側型変形性膝関節症患者の内側および外側の骨軟骨組織を術中に採取し、RNA抽出した後にcDNAを作成しRT-PCRを施行した。すると内側の軟骨細胞では、Grp78, Grp94, Hsp47, Crt, Cnxといった分子シャペロン関連の遺伝子の増加を認め、また同時にComp, Col1, Col2, Col10といった細胞外基質の遺伝子発現の増加を認めた。RNA-seqで解析を行うことを予定していた。しかしながらOAサンプルでの遺伝子発現が患者間でのばらつきが多いため、RNA-seqでの解析を変更し、single cell RNA-seqに手法を切り替えたところ、正常軟骨からOA軟骨に進展していく過程で、小胞体ストレス応答関連遺伝子が上昇している細胞群が認められた。またこれらはクラスター分類にて軟骨代謝が活性化されている軟骨細胞群であることが判明した。これらの結果より正常軟骨からOAが進行する過程で、小胞体ストレスによる軟骨代謝への負荷が増加していることが確認された。
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