研究課題/領域番号 |
22K16750
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
乾 貴博 帝京大学, 医学部, 助手 (10724213)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 整形外科外傷 / レジストリ |
研究実績の概要 |
本研究は、当院および関連施設で整形外傷に対する手術を受けた症例を対象とした横断的・縦断的な前向きコホート研究である。外傷患者は複数の外傷を同時に受傷することが多く、単一の疾患や手術のレジストリとは異なるデータの入力システムを構築する必要があり、整形外科・外傷センターの責任者の間で採取するデータ内容を決定した。 損傷は骨折・脱臼・脊椎外傷・脊髄損傷・軟部組織損傷・インプラント周囲骨折にまず分類し、AO分類、OTA-OFC分類をベースに入力するシステムとした。受傷機転・搬送経路・修正Charlson indexをベースにした併存症の評価・受傷前の思い出しBarthel indexなどを入力すべき患者特性とした。アウトカムとして全体的なQOL尺度であるSF-8、下肢のQOL尺度であるLEFS、上肢のQOL尺度であるQuick DASHなどを損傷にあわせて入力するシステムとした。これらをViedoc社のElectronic Data Capture(EDC)システムで入力構造を未来研究支援センターと共に作製し倫理委員会の承認を得て、Viedocシステムを使用して運用を開始している。 また、諸国のレジストリシステムを調査するため、スイスのグリソン州立病院で調査を行った。AO Trauma Swissのpast presidentである、De.Med.Christoph Sommerのもとでドイツ・スイスのレジストリについて聞き取り調査を行った。国家としてのレジストリシステムは日本のJapan Trauma Data Bankのような多発外傷レジストリはあるが、universalな整形外傷レジストリはなく、病院毎にそれぞれ個別のデータベースを入力しているとのことであった。北欧ではuniversalなレジストリを運用しているというアドバイスがあり、今後調査していきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、レジストリの運用を開始することができている。患者のデータ入力も開始できている。
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今後の研究の推進方策 |
実際の患者データの入力を進め、フォローアップ率の算出やレジストリの問題点、改善点を明らかにしていきたい。また、Universalなレジストリシステムを有する国のレジストリシステムの実態調査を進めるため北欧にフォーカスを当てていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
レジストリの作成・運用に関する支払いの発生が次年度となる見込である。その支払いに使用する。
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