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2023 年度 実績報告書

基質小胞を介する新しい骨代謝制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K16755
研究機関近畿大学

研究代表者

水上 優哉  近畿大学, 医学部, 助教 (20881163)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード骨代謝 / 基質小胞 / 細胞外小胞 / 骨再生 / 骨粗鬆症
研究実績の概要

2023年度は、骨粗鬆症に対する骨芽細胞由来基質小胞投与の影響を評価した。骨芽細胞由来基質小胞は、石灰化を誘導したマウス頭蓋骨由来骨芽細胞様株MC3T3-E1培養プレートからコラゲナーゼ処理により回収し、超遠心後の密度勾配遠心により精製を行った。得られた基質小胞はマウス骨髄由来細胞のRANKL刺激による破骨細胞分化を抑制した。エストロゲン欠乏性の骨粗鬆症モデルマウスとして卵巣全摘出マウスを作製し、4週後より基質小胞を週に1回、4週間静脈内投与した。マイクロ-CT装置を用いて骨形態計測を行った結果、基質小胞を投与したマウスでは対照群と比較して有意に骨密度、骨量、骨梁数が回復した。以上の結果より、MC3T3-E1由来基質小胞の全身投与がエストロゲン欠乏性の骨脆弱化を抑制する可能性が示された。
また、2023年度は骨組織中に存在する基質小胞を含む細胞外小胞の精製手法の確立も試みた。マウス骨組織より骨髄を回収したのち、コラゲナーゼ処理により骨基質分解溶液を回収した。超遠心法およびサイズ排除クロマトグラフィー法により骨髄中および骨基質中細胞外小胞の精製を試みた。Western blot法によりサンプル中の細胞外小胞マーカーを評価した結果、両サンプルともにCD9およびAlixの発現が確認できた。以上の結果より、同手法により骨組織中に存在する基質小胞を含む細胞外小胞の回収・精製が可能であることが示された。
研究期間全体を通して、骨芽細胞由来の基質小胞の局所投与により骨・軟骨形成の活性化を介して骨修復・再生を促進すること、および全身投与によりエストロゲン欠乏性の骨脆弱化を抑制する可能性が示された。これらの成果は生体内における基質小胞の新たな生理的な役割の存在を示唆するとともに、基質小胞を利用した新規の骨修復・再生治療法および骨代謝異常治療薬の創出において重要な知見を供するものと考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Roles of Plasminogen Activator Inhibitor-1 in Heterotopic Ossification Induced by Achilles Tenotomy in Thermal Injured Mice2024

    • 著者名/発表者名
      Mizukami Yuya、Kawao Naoyuki、Ohira Takashi、Hashimoto Daiki、Okada Kiyotaka、Matsuo Osamu、Kaji Hiroshi
    • 雑誌名

      Calcified Tissue International

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1007/s00223-024-01193-5

  • [学会発表] 骨芽細胞由来の基質小胞は大腿骨欠損後の骨修復・再生を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      水上優哉、河尾直之、髙藤義正、大平宇志、岡田清孝、城 潤一郎、田畑泰彦、梶 博史.
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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