変形性関節症(OA)の最大の愁訴は慢性的な膝疼痛である。当教室では、モノヨード酢酸(MIA)の関節内注射により惹起したラット膝関節炎症モデルを用いて、膝蓋下脂肪体(IFP)の線維化が、膝遷延痛の発症に深く関与することを報告した。さらに、IFPの線維化が生じる前にC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)を予防的に関節内投与することで、遷延痛の発症並びに関節軟骨の退行変性を抑制できることを示した。本研究では、CNPはIFPの線維化が生じた後に投与しても遷延痛の抑制効果を示すか、外傷性OAのモデルにおいてもCNPは薬理作用を示すか、及び、CNPの薬理作用発現の分子機序の解析の3項目に関して検討を行った。
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