研究課題/領域番号 |
22K16777
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
嘉山 智大 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80793702)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 腱 / 靱帯 / Mkx / メカニカルストレス / 終末糖化産物 / AGEs / コラーゲン |
研究実績の概要 |
腱や靱帯の主要成分であるコラーゲン解析を目的とし、腱・靱帯細胞への分化能を有する間葉系幹細胞での実験を行なっている。臨床でも使用されている超音波刺激装置を用いて細胞に刺激を与え、腱特異的遺伝子Mohawk(Mkx)を始めとしたI型コラーゲン線維の成熟に重要なCol1, Tnmd, Fmodなどの遺伝子発現の条件検討を行なっている。近年腱の重要遺伝子として注目されているPiezo1遺伝子が、細胞レベルでどのように関わっているかも調べている。Piezo1の過剰発現により腱のコラーゲン線維の増大が報告されているが、これらがメカニカルストレスにより誘導できるかを明らかにすることにより、腱・靱帯のコラーゲン線維の成熟メカニズムの解明につながると考えている。
マウス実験では野生型とMkx ノックアウトマウスの腱を用いて終末糖化産物(Advanced Glycated End-products: AGEs)の解析を行なっている。トレッドミル負荷試験で運動刺激を与えられたマウスのアキレス腱を破砕し、質量定量装置(Liquid chromatography- mass spectrometry: LC-MS)を用いてコラーゲンの成熟を評価している。今まで小さな線維性組織は解析困難であったが、このLC-MSを用いることで、小さなサンプルでも正確に測定することが可能になった。これらの応用によって、様々なサンプルでのAGEsを測定し、コラーゲン評価を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
条件検討により少し遅れが出ている。また試薬などの輸入に遅れが出ているため、これらによる影響も研究の進捗に影響していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き現在の実験を継続していく予定である。 今後は腱に重要であるとされているPiezo1遺伝子との関連についても検討していく。 長期間にわたる機械刺激が困難なため最適刺激方法と条件を引き続き検討していく。 サンプルサイズが小さく、解析が難しいため、条件検討を慎重に行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬などの輸入に遅れが生じているため、搬入時期に影響を及ぼしていたため、次年度使用額が生じた。
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