研究課題/領域番号 |
22K16798
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
井上 慎也 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20740997)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 尿路結石 / 果糖ブドウ糖液糖 / TAGE / 臓器連関 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、果糖ブドウ糖液糖(HFCS)摂飲によって発症が誘導される尿路結石発症の機序に隠された「肝臓-腎臓の臓器連環」の可能性を探究することである。尿路結石症は高血圧、糖尿病、脂質異常症などと合併し、メタボリックシンドロームの一疾患であるとの概念に着目。またHFCSの消費量の増加がメタボリックシンドローム発症の一因と報告されており、中でもHFCS代謝の中心を担う肝臓に着目し、HFCSが尿路結石発症に寄与する原因の解明と肝臓-腎臓の臓器連環を探求することにある。 ①in vitroでのシュウ酸カルシウム結晶添加による結石形成促成効果の検証と肝臓-腎臓の臓器連関の検討 高果糖培地にて初代肝細胞を培養。肝細胞を取り除いたライセートで尿細管上皮細胞を培養。尿細管上皮細胞にシュウ酸カルシウム結晶添加を添加することで結石付着を測定することで結石形成促進効果を検討する実験を準備中。 ②尿路結石形成バイオマーカーの可能性としてのTAGEの探索 尿路結石症と診断された患者の血中TAGEレベルが結石症の形成のバイオマーカーとなりうるか検討を行うための倫理委員会の承認を準備中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
in vitroの実験における肝臓-腎臓の臓器連関を担うバイオマーカーの検討に関して再検討を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
高果糖条件下で培養された肝細胞から分泌されるヘパトカインやサイトカインを評価すること。同定した物質を尿細管上皮細胞の添加することでシュウ酸カルシウム結晶の付着を検討する2段階に分けた実験で検討を進める予定。 尿路結石症と診断された患者の血中TAGEレベル測定のため倫理委員会への承認申請を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
in vitroの実験における肝臓-腎臓の臓器連関を担うバイオマーカーの検討に時間を要し、実験の施行が遅れているため、予定の物品費の仕様が出来なかった。次年度は、まず高果糖条件下で培養された肝細胞から分泌されるヘパトカインやサイトカインを評価する。次に同定した物質を尿細管上皮細胞の添加することでシュウ酸カルシウム結晶の付着を検討する2段階に分けた実験で検討を進める予定であり、実験に必要な試薬や物品に使用する。
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