研究課題/領域番号 |
22K16807
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
五十嵐 大樹 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90802801)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / 腫瘍微小環境 / 腫瘍免疫 |
研究実績の概要 |
膀胱癌における腫瘍微小環境は治療介入に伴い変化していることが確認されている。特に腫瘍微小環境における免疫環境が重要となる免疫チェックポイント阻害療法では、導入時における腫瘍微小環境を理解することが必要であると考える。 本研究においては当初イメージングマスサイトメトリー法を用いた網羅的解析を行う予定であったが、抗体や染色試薬の高騰もあり当初予定されていた検体数を解析することは困難であることが予想された。そのため、蛍光多重免疫染色を軸とした腫瘍微小環境の解析を行い、膀胱癌における標準治療前後の変化を解析中である。 現在までに、術前化学療法を行った筋層浸潤性膀胱癌51症例における治療前後の腫瘍微小環境を、蛍光多重免疫染色解析しており、その結果を論文報告している。次の方針として、BCG療法治療前後症例の腫瘍微小環境の解析に着手しており、現在約5症例の解析を終了し、症例を蓄積中である。BCG抵抗症例に対する免疫チェックポイント阻害剤の適応拡大が欧米では進んでおり、注目すべき分野である。次年度以降は、BCG症例の解析症例数の増加を目指すとともに、正常膀胱組織や低悪性度の膀胱癌組織などの解析も並行して行うことで、悪性度に準じた腫瘍微小環境の免疫状態を解析する方針である。蛍光多重染色解析において、腫瘍微小環境と治療効果などの臨床経過に関連性を認めた場合は、症例を絞ってイメージングマスサイトメトリー法による解析を行うことも検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究成果の一部を論文報告できており、順調に蛍光多重免疫染色における解析は継続できているため
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今後の研究の推進方策 |
症例の解析は順調に経過しているため、予定通りのペースで解析を継続していく。 ただし、抗体試薬の高騰が続いているため、今後症例数が当初の予定より減る可能性を考慮して解析を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数となる金額であり、次年度の抗体費の一部に充てる
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