研究課題/領域番号 |
22K16808
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
亀井 潤 自治医科大学, 医学部, 講師 (80805622)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 下部尿路機能障害 / 腎移植 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、まず本臨床研究を遂行するために学内での倫理委員会の承認を得たうえで、予定したプロトコルで適切なデータの収集が可能かどうかを評価するために、膀胱切片の採取方法や尿検体の採取方法、保存方法などに関する条件検討を行った。 採取方法を工夫することで通常の腎移植の際に開放し切除する分量の膀胱壁の切片で研究に必要なデータが収集可能であり、過剰な侵襲を加えることなく研究が遂行可能なことを確認した。また、尿の収集・保管方法も条件検討を行い、研究計画の手法で実際に必要なデータ・サンプルが持続的に収集可能であることを確認した上で、実際に症例の集積を開始した。 COVID-19の感染拡大により予定手術が度々制限されたことや倫理委員会の承認、条件検討に予定より時間を要したこともあり、データ収集の開始が遅れたが、最終的には令和4年度中に5名の症例から研究参加の同意を得て、臨床データ・サンプルの収集を開始している。実際に研究が開始できたのちは順調に症例の組み入れが進んでおり、来年度以降は計画通りに研究が進められることを見込んでいる。 一方で、令和6年度の研究計画で行う予定だったモデル動物を用いた検証のために、当初の研究計画と並行して予備実験を開始した。腎臓外科の協力の下で腎移植モデル動物を作成して膀胱機能解析ができないかどうか条件検討を行い、モデル動物作成に着手しつつ、膀胱内圧測定が遂行可能な実験環境を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理委員会の承認を得るまでに時間がかかり、またCOVID-19の感染により度々予定手術が延期となった影響もあり、手術時に収集する検体の条件検討が計画通りに進められなかった。その結果、実際に臨床データおよびサンプルの収集開始が、当初の予定より半年近く遅れた。計画では今年度中に30例程度の症例を集積する予定だったが、今年度データ・サンプルの収集が開始できた症例が5例と計画に遅れは出ているが、今後は計画通りに症例の組み入れが続けられる予定であり、来年度以降は予定通りに研究を遂行できる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
臨床データ・サンプルの収集開始が遅れたものの、開始以降は順調にサンプルの集積ができており、令和5年度中に目標症例数のデータ収集を達成させる予定である。収集できたサンプルを順次解析することで、計画の遅れを最小限に抑えるように努める予定である。 また、並行して令和4年度から開始したモデル動物確立にむけた予備実験、条件検討を令和5年度中も引き続き継続して、令和6年度の計画が滞りなく進められるように準備を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定に比べて実際に研究のための症例の組み入れとデータ・サンプルの収集の開始が遅れたため、研究計画が遅れており、次年度に後ろ倒しとなっている。そのため、データ解析に用いる物品の一部が今年度中に使用できないため購入の必要がなかったため、その部分の予算の執行を来年度に繰り越した。 今年度購入予定だったものは来年度中に購入する必要があると考えるため、来年度には繰り越した予算の執行は可能な見込みである。
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