研究実績の概要 |
BBN化学発癌モデルとUPPL遺伝子改変モデル(Upk3a-CreERT2; Trp53L/L; PtenL/L)の複数の新規膀胱癌細胞株のうち、野生型B6マウスに皮下移植した際に高率に腫瘍を形成する6細胞株(BBN963,975、UPPL1541、1591、1595,1598)を同定した。これら皮下移植腫瘍は、同じモデル由来であっても異なる病理組織像を呈することが分かった。これら細胞株は、in vitroではシスプラチンに対して同等の感受性を有するが、in vivoでは感受性が異なることがB6マウスを用いた投薬実験により明らかになった。In vitroとIn vivoでのシスプラチンに対する反応性の違いは、免疫細胞や癌関連線維芽細胞を含む腫瘍微小環境の影響と考えられた。 シスプラチンのノンレスポンダーとレスポンダーとしてそれぞれ2細胞株ずつを選択し、bulk RNAseqを行った。これらは、unsupervisedクラスタリングにて別のクラスターとして分類された。また、分子サブタイプに関しては、ヒト膀胱癌コンセンサス分類に当てはめると、ノンレスポンダーはbasal suquamous subtype、レスポンダーはstroma rich subtypeに分類された。さらにCAFのsignatureを調べることで、CAFのpopulationにも相違がある可能性が示唆された。 GSEA解析を行い、ノンレスポンダーとレスポンダーの間で差のある遺伝子セットを同定した。
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