研究課題/領域番号 |
22K16826
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
朝野 拓史 北海道大学, 大学病院, 助教 (60880052)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子宮頸癌 / 患者由来オルガノイド / 薬剤スクリーニング |
研究実績の概要 |
本研究では、子宮頸癌患者由来オルガノイド(Cx-PDO)の樹立方法を確立し、患者腫瘍との相同性の確認、Cx-PDOを用いた薬剤スクリーニングと臨床予後との相関の検証、新規治療方法の開発を目標とした。 本年度はまず樹立方法の確立、患者腫瘍との確認、薬剤スクリーニング方法の確立を行った。13例の子宮頸癌患者より文書により同意を取得し、生検検体又は手術検体の一部を細断し、酵素処理で単離した細胞をMatrigelに包埋した。無血清培地に各種の増殖因子を添加し、5% CO2インキュベーターにて37 ℃で培養した。 対象とした13例から合計15検体でCxPDOの樹立を試みた。15検体中11検体(73%)でCxPDOが樹立された。当初使用していた増殖因子の組成を変更することで、特に扁平上皮癌(SCC)におけるオルガノイド形成速度が35倍に改善し、手術材料だけではなく生検検体からの樹立も可能となった。特に、2例では生検検体と手術材料からCx-PDOを樹立可能だった。組織型では非扁平上皮癌(non-SCC)4例中3例、扁平上皮癌(SCC)11例中8例で樹立され、いずれも患者腫瘍の形態的特徴を模倣していた。また、正常上皮からのPDO樹立を試み、4例中3例で樹立に成功した。薬剤スクリーニングでは、SCCに比べnon-SCCではシスプラチンに対する感受性が低い傾向を認めた。Cx-PDOの樹立方法および薬剤スクリーニングを安定して行うことが可能となった。また、一部の検体から核酸を抽出しその品質が問題ないことを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子宮頸癌患者由来オルガノイドの樹立および薬剤スクリーニングを安定的に実施できるようになり、当初予定した症例数で研究を遂行できている。また、検討内容の一部を国内学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
継続して子宮頸癌患者からオルガノイドを樹立すると共に、薬剤スクリーニングを行う。解析予定数に達した場合、臨床予後とオルガノイドを用いた薬剤スクリーニングの相関を検討する。 分子機構の解明のため、遺伝子発現解析および細胞表面マーカーの解析方法を検討・確立する。 本技術を用いた臨床応用の方法を検討する。
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