今後の研究の推進方策 |
対象のクラミジア・トラコマチスPgp IgG3抗体の測定と解析を行い、クラミジア陽性例と陰性例とで、組織型や進行期、転移様式、化学療法に対する反応を比較し、クラミジア抗体陽性卵巣・卵管・腹膜癌症例の臨床病理学的特徴を調べる。 上記実験にてクラミジア抗体が陽性であった卵巣・卵管・腹膜癌患者の手術検体において卵管上皮におけるクラミジア抗原の発現、TLR2,4の発現およびTP53変異の有無を免疫組織化学染色にて検討する。卵管上皮におけるTLR2,4の発現強度とTP53変異との関連を検討する。 卵巣癌細胞であるSKOV3,OVCAR-3,および不死化ヒト卵管上皮にクラミジア・トラコマチス血清を添加し、クラミジア感染を惹起させる。添加後24時間で細胞のRNAを抽出し、TLRシグナル伝達経路上のTLR2, TLR4, CD14, MyD88の遺伝子発現変化をRT-qPCR法にて検討する。さらに下流のMAPK経路の活性化が起こっているかどうかを検討するためにNF-kappaB経路、JNK, p38MAPK, ARKのリン酸化タンパクの発現を検討する。次にこの細胞にTP53変異を導入し、細胞増殖の変化をみる。 卵巣癌細胞SKOV3、OVCAR-3にTLR2,4の発現を抑える効果のある、Dominant Negative TLR2、TLR4を導入し、細胞増殖、アポトーシスに与える影響を検討する。細胞増殖はCCK-8, アポトーシスはカスパーゼ3,7の発現を測定し検討する。
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