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子宮内膜症は、子宮内膜あるいはその類似組織が異所性に存在する疾患で、異所性内膜が正常組織に浸潤して疼痛、不妊症、発癌の原因となり、著しくquality of life を低下させる。本研究の目的は、難治性疾患である子宮内膜症の組織浸潤の機序を細胞骨格の視点から明らかにし、新たな治療ターゲットを見出すことである。我々は、子宮内膜症性嚢胞10例の手術摘出検体から異所性子宮内膜間質細胞を分離培養した。同様に、子宮体部内膜から正所性子宮内膜間質細胞を分離培養した。正所性・異所性の子宮内膜間質細胞について、Ncoa6の発現をWestern blotで比較したところ、正所性子宮内膜間質細胞に比べて、異所性子宮内膜間質細胞の方がNcoa6の発現が低かった。正所性子宮内膜間質細胞、Ncoa6をknock downした正所性子宮内膜間質細胞、異所性子宮内膜間質細胞の三者について蛍光免疫染色を行い、細胞質内のactin fiverの分布を調査した。すると、異所性子宮内膜間質細胞のactin fiverの分布は、Ncoa6をknock downした正所性子宮内膜間質細胞と類似していた。正所性子宮内膜間質細胞のNcoa6をknock downし、細胞浸潤が増加するか検討したが、Ncoa6をknock downしても細胞浸潤の明らかな増強は見られなかった。Ncoa6のknock downは、子宮内膜間質細胞の浸潤能を増強させないと考えられ、Ncoa6の機能不全は、異所性子宮内膜間質細胞の浸潤能を規定する主な因子ではないと考えられた。本研究の過程で子宮内膜間質細胞の小胞体ストレスに着目し、正所性子宮内膜間質細胞の小胞体ストレス応答についても検討した。子宮内膜間質細胞に軽度の小胞体ストレスを付加し、脱落膜化刺激を行うと、脱落膜化した子宮内膜間質細胞への絨毛細胞の浸潤が増強されることが明らかとなった。
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