• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

胎盤のプロレニン受容体を標的とした妊娠高血圧腎症の新たな治療戦略と病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K16878
研究機関岡山大学

研究代表者

光井 崇  岡山大学, 大学病院, 助教 (60769008)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード妊娠高血圧腎症
研究実績の概要

妊娠マウスの子宮動脈を結紮し、血流を減少させる方法で妊娠高血圧腎症モデルマウスを作成し、血圧、蛋白尿の測定を行い、妊娠高血圧腎症への進行度をモニタリングした。また、胎盤の低酸素化は低酸素誘導因子を指標に定量的 PCR 法で評価するとともに胎盤におけるプロレニン受容体の発現を評価した。妊娠高血圧腎症モデルマウスでは血圧の上昇、蛋白尿の増加が認められ、子宮の血流低下により胎盤の低酸素化が生じることで胎盤のプロレニン受容体が増加し、細胞内シグナルの活性化によるエンドセリン-1の産生が増加していることを証明した。
さらに、妊娠高血圧腎症モデルマウスにプロレニン受容体阻害剤(RIPLKKMPSV)を投与することでプロレニン受容体の病態への意義を検討した。プロレニン受容体阻害剤の投与により細胞内シグナルの活性化を抑制することができ、エンドセリン-1の産生も抑制することが可能であった。また、妊娠高血圧腎症モデルマウスにおける高血圧や蛋白尿に関しても改善することができた。当研究成果から、妊娠高血圧腎症の胎盤におけるプロレニン受容体を介した細胞内シグナルの活性化とそれに伴うエンドセリン-1の産生の病態意義を検証することができた。
これらの研究データは、第58回日本周産期・新生児医学会学術講演会、第74回日本産科婦人科学会学術講演会、第42回日本妊娠高血圧学会学術集会、第30回日本胎盤学会学術集会で発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り進展しているため。

今後の研究の推進方策

今後、妊娠高血圧腎症モデルマウスの胎盤におけるプロレニン受容体の増加に伴うエンドセリン-1の産生を中心とする妊娠高血圧腎症の病態発症のメカニズムを解明する研究を進めていく予定である。プロレニン受容体からの活性化される細胞内経路を網羅的に解析を行うことにより、まだ他の因子も相互に関係してくることが考えられ、発現変動が顕著なものについてデータベース化を行う。プロレニン受容体を中心とする病態発症増悪の分子メカニズムの詳細の糸口となり、新たな重要分子の発見も期待される。

次年度使用額が生じた理由

当該年度の助成金を使用して物品をまとめて購入することにより必要経費を想定より安価に抑えることが可能であった。翌年度分として請求することにより、さらなる研究の推進にむけて必要な物品を購入するための経費とする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] sFlt-1投与マウスの胎盤における プロレニン受容体を介したエンドセリン1の産生2022

    • 著者名/発表者名
      三島桜子、光井 崇、谷 和祐、大羽 輝、三苫智裕、大平安希子、牧 尉太、桐野智江、衛藤英理子、早田 桂、増山 寿
    • 学会等名
      第58回日本周産期・新生児医学会学術講演会
  • [学会発表] Production of Endothelin-1 via placental (pro)renin receptor in preeclampsia model mi2022

    • 著者名/発表者名
      Sakurako Mishima, Takashi Mitsui, Kazumasa Tani, Tomohiro Mitoma, Satomi Yokohata, Akiko Ohira, Jota Maki, Satoe Kirino, Eriko Eto, Kei Hayata, Hisashi Masuyama
    • 学会等名
      第74回日本産科婦人科学会学術講演会
  • [学会発表] sFlt-1投与マウスの胎盤における (プロ)レニン受容体を介したET-1の産生2022

    • 著者名/発表者名
      三島桜子、光井 崇、谷 和祐、大羽 輝、三苫智裕、大平安希子、牧 尉太、桐野智江、衛藤英理子、早田 桂、増山 寿
    • 学会等名
      第42回日本妊娠高血圧学会学術集会
  • [学会発表] 妊娠高血圧腎症モデルマウスの胎盤における (プロ)レニン受容体を介したET-1の産生2022

    • 著者名/発表者名
      三島桜子、光井 崇、谷 和祐、大羽 輝、三苫智裕、大平安希子、牧 尉太、桐野智江、衛藤英理子、早田 桂、増山 寿
    • 学会等名
      第30回日本胎盤学会学術集会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi