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2022 年度 実施状況報告書

体外培養卵子誘導系/ChIL-seqを用いたヒト原始卵胞のFOXO1Aの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K16880
研究機関九州大学

研究代表者

濱田 律雄  九州大学, 環境発達医学研究センター, 特任助教 (70875822)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード原始卵胞 / 体外培養 / 卵子 / FOXO1A / ChIL-seq
研究実績の概要

本研究では「ヒトの原始卵胞形成および維持におけるhFOXO1Aの機能を明らかにすること」を目的とし、マウス体外培養系を用いて表現型を、ChIL-seqによって分子標的をそれぞれ解明する。マウス原始卵胞では機能因子であるmFOXO3aが核内に局在し、活性化卵胞では核外に移行する。まず、hFOXO1AがmFOXO3aと同様の発現パターンを示すことをヒト卵巣組織切片で確認した。ChIL-seqでは未固定の凍結切片を用いるために手術で摘出したヒト卵巣組織の凍結切片において、hFOXO1Aの免疫染色の条件検討を行った。ヒト卵巣組織凍結切片の免疫組織化学染色および免疫蛍光染色で原始卵胞と活性化卵胞におけるhFOXO1Aの細胞内局在を確認し、また卵巣における原始卵胞の分布を確認した。卵巣組織内の原始卵胞を多く含む領域を含む断面で凍結切片を作製することでChIL-seqにより適した凍結切片を得ることが出来た。以前にNobox、Figla、Tbpl2、Lhx8 の4 つの転写因子(PPT4:primordial-to-primary-follicle transition)を強制発現させたES細胞から短時間で体外培養卵子誘導系を報告した。この系を用いて解析を行うために、PPT4を遺伝子導入したmFOXO3a KO mES細胞を樹立した。このmES細胞に導入するmFOXO3a⊿NES、hFOXO1A、hFOXO1A⊿NESのベクターを作製し、293T細胞にトランスフェクション後に免疫蛍光染色し、計画通りにmFOXO3aおよびhFOXO1Aの核内・核外発現をコントロール出来ていることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始時の実験計画通りに進んでいる。原始卵胞と活性化卵胞におけるhFOXO1Aの細胞内局在を確認し、原始卵胞を多く含む分布を同定したことで、ChIL-seqにより適した凍結切片を作製することが出来た。当初予定していたPPT4を遺伝子導入したmFOXO3a KO mES細胞の樹立およびmFOXO3a⊿NES、hFOXO1A、hFOXO1A⊿NESのベクター作製も計画通りに行うことが出来た。

今後の研究の推進方策

ヒト卵巣組織の凍結切片において、hFOXO1Aのターゲット遺伝子同定のためにChIL-seqを行う。昨年度に作製したmFoxo3a⊿NES、hFOXO1A、hFOXO1A⊿NESのそれぞれのベクターをNobox、Figla、Tbpl2、Lhx8 の4 つの転写因子(PPT4:primordial-to-primary-follicle transition)を強制発現させたmFOXO3a KO mES細胞にトランスフェクションし、それぞれの強制発現細胞株の作製を行う。強制発現細胞株を樹立した後に、PPT4を強制発現させた体外培養で卵子誘導を行い、原始卵胞形成におけるhFOXO1Aの機能解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

本年度で行う予定であったChIL-seqについて、対象となる手術症例数が少なく、免疫染色の条件検討に時間を要したため、次年度に持ち越しとなったために次年度使用額が生じた。次年度は体外培養とChIL-seqを行うにあたって、培養関連物品や免疫染色関連物品やChIL-seq後の解析に対して主に使用する計画である。

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公開日: 2023-12-25  

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