研究成果の概要 |
本研究は予後不良とされる非類内膜癌において,ProMisE分類が有用かどうかを明らかにすること,分子分類が組み込まれたFIGO2023(FIGO2023m)がFIGO2008や分子分類を組み込まないFIGO2023と比較して予後識別能が優れているかどうかを検証することを目的とした.3つのFIGO分類のうち, FIGO2023mはAIC値,C-index値, time-dependent ROC曲線いずれにおいても最も良好な分別能を示した.また,非類内膜癌50例においては全生存率に対する多変量解析ではProMisE分類のみが予後不良因子であり非類内膜癌においてもProMisE分類が有用であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国外ではTCGAによる全エクソンシークエンスといった大規模ゲノム解析が既に行われており,欧米では既に遺伝 子パネル検査が日常診療として実施されており,十万人レベルでの ゲノムデータがGENIEなどに公開されている. しかし,近年増加傾向にある日本人子宮体がんに対するゲノム解析はまだ開始されたばかりであり,令和元年から始まった遺伝子パネル検査は欧米と同等のレベルになるにはまだ年月を必要としている.本研究は日本人に対するゲノム医療を推進させるための重要な研究データとなり得た.臨床現場への分子分類の導入も不可避となり安価で早急なPOLE変異検出の技術が待たれる.
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