ヒト声帯は声帯上皮、粘膜固有層、声帯筋、軟骨から構成される複雑な組織であり、本研究では最新の電子顕微鏡技術であるFIB/SEMトモグラフィー法と光相関電子顕微鏡法(CLEM法)を用いて声帯の三次元的微細構造を解明する事を目的とした。ヒト喉頭の組織切片を用いたCLEM法での観察により、これまで不明であった声帯粘膜の各移行部の微細構造を明らかにした。また、声帯の疾患の一つであるラインケ浮腫の組織切片を用いたCLEM法での観察により、疾患の病態を微細構造レベルで明らかにした。正常な声帯組織のみならず、疾患モデルの観察へと応用でき、今後は実験動物や様々な疾患モデルへの応用が期待される。
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