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2022 年度 実施状況報告書

小児急性中耳炎・副鼻腔炎におけるRSウイルスと起因菌相互作用の基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K16915
研究機関札幌医科大学

研究代表者

實川 純人  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80706549)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードRSウイルス / 急性中耳炎 / 急性副鼻腔炎 / アデノイド
研究実績の概要

小児急性中耳炎・副鼻腔炎は、その主要起因菌に対するワクチン定期接種導入以後も小児における重要な感染症である。抗菌薬使用ガイドラインの作成・計画的ワクチン導入の効果によって、治療・予防戦略に変化がみられる一方で、反復・難治化する症例も少なくない。今回、ウイルス感染が細菌感染に及ぼす影響、宿主細胞に及ぼす影響の大きく2つの視点から分子生物学的検討を行う。本研究では、主に呼吸器感染症ウイルスが上気道に感染することによって及ぼす影響について検討する。 ウイルス感染が細菌感染に及ぼす影響、そして寄宿細胞に及ぼす影響の大きく2つの視点から分子生物学的検討を行う。そして小児上気道感染症に対する新たな治療標的を見出すことを最終目的とする。小児急性中耳炎と副鼻腔炎の病態のうち、特にウイルス感染とそれに続く細菌感染に着目する。具体的には、はじめに手術の際に得られる鼻粘膜や咽頭扁桃組織から作成した上皮細胞を用いて、単層培養(submerge)と気相液相界面培養 (air-liquid interface: ALI) における呼吸器感染性ウイルス感染時のバリア機能を解析する。初年度は小児咽頭扁桃上皮細胞の培養を行い、単層培養において小児で感染例の多いRSウイルス、ライノウイルス(HRV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)を感染させてRNA sequence解析を行った。詳細な解析は次年度になるが、IFN応答関連としてToll-like受容体経路とRIG-I-MAVS(ミトコンドリア)経路のどちらに比重があるのかをウイルス毎に比較検討する。実績としてRSウイルスの定量系としてプラークアッセイ法の改良に関わり、Journal of virological methodに報告した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

小児期に感染する機会の多い3大ウイルス(RSウイルス、HRV、PIV)について、初代培養咽頭扁桃上皮細胞を用いた単層培養に対してpoly I;C(TLR3刺激)と比較した感染実験を行い、サンプルをRNA sequence解析に提出することができた。また、ALIについて培養の詳細な条件検討を行い、6-well dishサイズのダブルチャンバーシステムを用いてALIの検討を行うこととした。
また、小児期に急性中耳炎や急性副鼻腔炎に対して汎用される抗菌剤がRSウイルス感染に及ぼす影響について詳細な解析を行っている。抗菌剤の中には、RSウイルスの増殖性に影響を及ぼす薬剤もみられ、詳細な解析を行う予定である。
初代培養咽頭扁桃上皮細胞の培養は順調に遂行できており、初代培養細胞のストック保存も適切に行われているため、今回単層培養を行ってRNA sequence解析に用いた同じサンプルを用いてALI培養を行い、同様に感染実験を行ってRNA sequence解析を行うことが可能である。単層培養とALIの状態および、各ウイルスとTLR3のみの刺激の場合を詳細に解析予定である。
また、困難とされるRSウイルスの培養法・定量法の改良に関わり、国際学術誌に報告するができた。 以上のことから本研究の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

初年度に行った初代培養咽頭扁桃上皮細胞の単層培養の解析に加えて、6-well dishサイズのダブルチャンバーシステムを用いてALI状態での各ウイルスとTLR3のみの刺激の場合の遺伝子発現状況についてRNA sequence 解析を行う。さらに単層培養とALI状態での各ウイルスの感染やpolyI;C投与にともなって上皮バリア機能がどのように変化するのか経上皮電気抵抗(TEER)計測やインフルエンザ菌や肺炎球菌の透過性実験を行うことでウイルス感染が宿主細胞に及ぼす影響について検討する。
また、小児期に急性中耳炎や急性副鼻腔炎に対して汎用される抗菌剤がRSウイルス感染に及ぼす影響についてALIの状態で、抗菌剤投与・非投与の条件でRSウイルスを感染させて免疫染色を行い、ウイルス感染状況を確認する。抗菌薬の及ぼす影響について国際学術誌に投稿を予定している。
最終的に、特にRSウイルス感染で特徴的なシグナル伝達経路を特定し、それらのシグナル伝達経路を制御する遺伝子の発現阻害(siRNA)や遺伝子破壊(knockout細胞)をA549などの細胞株を用いて行い、RSウイルスに特徴的なシグナル伝達経路を阻害する状況においてインフルエンザ菌や肺炎球菌の感染状況を検討し、ウイルス感染が宿主細胞の状況を変化させることで起こりうる中耳炎起因菌におよぼす影響を解析する。

次年度使用額が生じた理由

RNA sequenceの解析が時間を要し、料金が次年度になったため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A hydroxypropyl methylcellulose plaque assay for human respiratory syncytial virus2022

    • 著者名/発表者名
      Takumi-Tanimukai Yuka、Yamamoto Soh、Ogasawara Noriko、Nakabayashi Sayaka、Mizuta Katsumi、Yamamoto Keisuke、Miyata Ryo、Kakuki Takuya、Jitsukawa Sumito、Sato Toyotaka、Tsutsumi Hiroyuki、Kojima Takashi、Takano Kenichi、Yokota Shin-ichi
    • 雑誌名

      Journal of Virological Methods

      巻: 304 ページ: 114528~114528

    • DOI

      10.1016/j.jviromet.2022.114528

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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