研究実績の概要 |
創傷治癒反応において、マクロファージは炎症初期には炎症促進的に、後期には抗炎症的に作用し、反応を収束させると考えられている。 本研究では、先行研究において作成した気管狭窄モデルを使用し、気管狭窄とマクロファージの関連について実験を進めている。モデルはマウスで作成しており、電気メスにて気管前壁の焼灼を行ったのち、7日後に瘢痕形成を確認している。またあらかじめ気管切開をおくことで気道を確保し、処置後生存可能としている。 これまでに、気管熱傷後の気管内マクロファージの局在・経時変化の評価のため、焼灼7日後の気管において、Mφマーカー(Iba1抗体)を用いて免疫組織学染色を行い、局在を評価した。また同モデルにおいてMasson-Trichrome染色、抗Vimentin抗体,抗α-SMA抗体を用いて線維化を評価している。今後は、M1表面マーカー(CD68)、M2表面マーカー(CD163,CD204)抗体を用いて、M1,M2の経時的な定量評価を行う予定である。 最終的には気管狭窄におけるMφの極性化による組織の線維化機構、そしてMφにおける細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)の役割との関連の解明を目指す。
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