研究実績の概要 |
本研究の目標は、概日リズムの乱れによる蝸牛内時計タンパク質、酸化物質、抗酸化物質およびシナプス関連因子の定量解析を行い、蝸牛における概日リズムの機能を解明し、最終的には末梢感覚器における睡眠の意義を明らかにすることである。時計タンパク質は免疫染色での可視化は困難であることから、時計タンパク質を発現するトランスジェニック(Tg)マウス(Per1-Venus, Per2-DsRed)を導入した。 Per1-Venus, Per2-DsRedの脳組織を用いて視交叉上核での蛍光タンパク質の発現を確認した。蛍光タンパク質の発現量は概日周期で明らかに異なっていたが、個体差も多かった。同マウスの蝸牛内での蛍光タンパク質の発現か極めて少なく解析可能が画像を取得することは出来なかった。また、Per1-Venus, Per2-DsRedマウスはC57BL/6マウスと比べて性交回数や摂食量が少なく繁殖に難渋しており実験が不安定である。 次に概日リズムや睡眠が聴覚に与える影響を評価する為、C57BL/6マウスを用いて視交叉上核破壊群、睡眠障害(レム+ノンレム睡眠障害群およびレム睡眠障害群)マウスの聴覚を聴性脳幹反応(ABR)で評価した。いずれの群でもABRの閾値の変化は認めかなった。
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