研究課題/領域番号 |
22K16925
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浦田 真次 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60849404)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 概日リズム / 睡眠障害 / 難聴 |
研究実績の概要 |
本研究の目標は、概日リズムの乱れによる蝸牛内時計タンパク質、酸化物質、抗酸化物質およびシナプス関連因子の定量解析を行い、蝸牛における概日リズムの機能を解明し、最終的には末梢感覚器における睡眠の意義を明らかにすることである。 初年度に、時計タンパク質を発現するトランスジェニック(Tg)マウス(Per1-Venus, Per2-DsRed)における蝸牛内の蛍光発現量の定量評価が困難であること、睡眠障害(レム+ノンレム睡眠障害群およびレム睡眠障害群)マウスでの聴性脳幹反応(ABR)における閾値の変化がなかったことを報告した。 本年度は、睡眠障害モデル動物に音響暴露を行い、生理学評価(ABR)および組織学的評価(有毛細胞、リボンシナプス)を行った。一過性閾値上昇(TTS)をきたす騒音条件(8-16kHz帯域ノイズ、100dB SPL、2時間)とした。睡眠障害群と非障害群の間で生理学的・組織学的に変化はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は研究室で確立した技術を用いた実験であったため、計画どおりに遂行できた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年、本年と実験計画通りに研究はすすんでいるが、概日リズム障害や睡眠障害が聴覚にお及ぼす影響をみいだすに至っていない。マスタークロック障害(視交叉上核破壊)と睡眠障害は代替技術が確立していないため、マクロレベルの変化をきたすには内耳障害の条件検討が必要不可欠である。一方、本研究ではミクロレベルでの解析が行われていない。 次年度はExpansion microscopy用いて概日リズム障害や睡眠障害モデルの有毛細胞内の形態解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加に伴う旅費を計上したが、学会発表はしなかったため。
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