サイトメガロウイルス前眼部感染症は疾患概念の確立からまだ比較的歴史が浅く、その病態については未知な部分が多い。その一方、前房水PCRの普及により、確定診断例は急増しているという背景がある。疫学的に中高年男性に多いという特徴があり、性差や加齢がその病態に関連している可能性があり、そういったアプローチによる今後の病態解明が期待される。また、本研究で示唆された、緑内障手術がその病態に与える影響についても、今後分子生物学的、免疫学的なアプローチによる解明により、より適切な術式選択や術後管理といった臨床的な課題の解決に資する可能性がある。
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