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2023 年度 実施状況報告書

病的新生血管の制御を目指した新規網膜器官培養法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K16950
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 静  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00747925)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード内皮細胞 / 網膜器官培養 / ライブイメージング / 血管新生
研究実績の概要

本研究では、マウス網膜の器官培養法を新たに開発し、発生期もしくは病的血管新生でみられる細胞動態をex vivoで評価するため観察系を構築する。これまでの予備実験から網膜本来の杯状構造を維持して培養すること、生体外で生体内と同等の血管新生を誘導させる環境を再現すること、の2つの課題の解決が必要であることがわかっている。
前年度は、網膜形態はtype1コラーゲンを硝子体腔に詰め、網膜全体をコラーゲン包埋することで形状保持を可能とした。本年度は前年度に引き続き、網膜血管の発生を再現できる培地ならびにサプリメントを検討した。生後4日の新生仔マウス網膜を培養内皮細胞に用いるEGM2に内皮細胞を増殖させるVEGFとFGF, 周皮細胞の増殖に必要なPDGFという増殖因子、血管のオルガノイド作成に用いられてるForskolinとTGFb受容体阻害剤を添加し40%酸素濃度下に24時間培養すると生後5日マウスの生体網膜の血管形態と同等の発生期血管新生をex vivoで誘導することができた。さらに、確立した仔マウス網膜の器官培養法を用いて、発生期の網膜血管新生の過程をex vivoでライブイメージングにも着手した。網膜血管をFITC-dextran、細胞核をHoechstで染色し共焦点蛍光顕微鏡で、網膜血管の先端のタイムラプス動画を撮影した。培養開始早期より急速に移動する細胞が観察できており、さらに長時間の観察を実施することで細胞個々の挙動を明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画どおり、新しく開発した網膜器官培養法を用いて発達中のマウス網膜血管新生のライブイメージングを取得できているため。

今後の研究の推進方策

次年度はライブイメージングの精度を上げる。具体的には
1)内皮細胞の同定:Cre/loxPシステムを利用した組織特異的に細胞核を標識可能なレポーターマウス (R26R-H2B-EGFPマウス)を理研バイオリソースセンターから入手したのち、内皮細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配して内皮細胞核にGFPを発現するマウス網膜を作成する。または、量子ドット技術など生細胞核を染色し核を同定してイメージング後、網膜を固定して免疫蛍光染色することで後ろ向き追跡する。
2)二光子顕微鏡やライトシート顕微鏡でも同様の手法でタイムラプス動画を取得する。

次年度使用額が生じた理由

計画予算より支出が少なかった。次年度、観察系確立のためのデバイスに支出が増えると予想されるので、次年度に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A novel organ culture model of whole retina to study angiogenesis ex vivo2024

    • 著者名/発表者名
      高橋静
    • 学会等名
      第14回大阪大学若手研究フォーラム

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公開日: 2024-12-25  

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