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2023 年度 実施状況報告書

羊膜円孔の組織修復のメカニズムの解明、及び羊膜を用いた治療の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 22K16957
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

田中 寛  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60850899)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード黄斑円孔 / 羊膜 / ミュラー細胞
研究実績の概要

難治性黄斑円孔に対して他家移植である羊膜移植が注目されているが、未だ組織修復や視機能改善のメカニズムは明らかにはなっていない。本研究の目的は、in vitro実験において羊膜上と網膜細胞の遊走伸展との関係を明らかにし、家兎の黄斑円孔モデルを用いて生体内での羊膜の役割を明らかにすることである。 昨年度行ったミュラー細胞の羊膜に対する接着能、遊走能のin vitro実験の検討においてはミュラー細胞は羊膜の上皮側では仮足を伸ばし、縦横比が高い接着像が得られた一方で絨毛膜 側では円形で縦横比が低い接着性を示す像が得られた。遊走実験においては、上皮側では絨毛膜側に対して有意に遊走能が高い(t検定; p<0.05)結果が得られ た。
次に、in vivoでの羊膜移植の有効性を確認するため、家兎の網膜円孔モデルを作成した後、コントロール(無治療群)と羊膜移植を行った群(羊膜群)におい て組織修復過程の差を画像解析にて確認した。修復後の組織を家兎の黄斑円孔モデルに対して羊膜を挿入し2mm径の円孔部に同径の羊膜を留置し、術後のOCT画像 の取得に成功した。術4週間後の円交閉鎖率は無治療群が0%であったのに対し、羊膜移植群では100%であった。術4週間後に屠殺し、組織学的検討、免疫蛍光染色で評価を行ったところ、羊膜の絨毛膜側が円孔底に接しており、その上を周囲の網膜組織から遊走し、円孔を被覆している像が確認された。また、蛍光染色ではanti-GS6抗体、またanti-GFAP抗体陽性細胞が羊膜上に遊走している像が確認され、ミュラー細胞が郵送していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2年目の時点において、すでに家兎の円孔モデルの確立ができており、羊膜移植により閉鎖が得られることが判明している。
以上より当初の計画以上に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

今後はより詳細に閉鎖メカニズムを確認するため、電子顕微鏡を用いて組織解析をおこなっていく。
また、データが出揃ったところで論文発表を予定している。

次年度使用額が生じた理由

モデル作成の進捗が予定より順調であったこと、また人件費を最終年度に持ち越したことより最終年度への持ち越し金額が増加した

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Amniotic membrane transplantation for a rabbit retinal hole model2024

    • 著者名/発表者名
      田中 寛
    • 学会等名
      2024 ARVO Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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