研究実績の概要 |
申請者は、角膜では代表研究者がS1PR3は 上皮に強く発現され、その欠失マウスでは炎 症に伴う血管新生が抑制されることを報告し た(Yasuda S, et al. Lab Invest 2021)。 傷害された角膜上皮細胞は三叉神経の再生とともに渦巻き状に再生すると報告されている。 In vitro研究から感覚神経ではS1PR3はRho/ROCK活性化とCRMP2リン酸化を介してニューロ ンを退縮させることが報告されている。(Quarta S, et al. Front Mol Neurosci. 2017.)また脳梗 塞マウスモデルにおいてS1PR3阻害剤を投与することで神経学的欠損を抑制できるとの報告 もされている。(Bhakta P, et al. J Neuroinflammation. 2018.)さらにS1P/ S1PR3シグナルはニ ューロンの細胞膜TRPV1カルシウムチャネルを介して痛覚に関与していると報告(Rose ZH, et al. J Neurosci. 2018)されているので、神経再生を促進しつつも、角膜知覚が低下す れば、創傷治癒期間での痛みの治療にも有効である可能性がある。本研究として、マウス角膜のパラフィンブロック超薄切片を作成し、神経細胞マーカーであるTuj1とS1PR3を二重染色を行った。結果としてS1PR3はTuj1で蛍光された神経細胞に発現していた。つまりS1PR3は角膜三叉神経にも強く発現していることが確認できた。
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