研究課題/領域番号 |
22K16980
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坂本 晋一 自治医科大学, 医学部, 助教 (30721071)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 深層学習 / 網膜非灌流領域 / 糖尿病網膜症 / 網膜静脈閉塞症 / カラー眼底写真 |
研究実績の概要 |
超広角眼底画像(UWF)画像から、疑似カラー眼底写真の非灌流領域(NPA)の大きさを推定する人工知能(AI)モデルを開発し、そのAIの精度と妥当性を検証し、有用であると2022年に報告した。今回はさらに、それを4施設の多施設データで構築した。 自治医科大学附属病院と他3施設のクリニックの計4施設において、Optos California(Nikon, Tokyo)で撮影されたUWF眼底画像を使用し、UWF蛍光眼底画像をアノテーションしたNPAの画像を使用した。NPAのある1062枚および、NPAのない74779枚のカラー眼底写真をランダムに選択してPraNetで深層学習を行った。5分割交差検証を行い、検証にはBland-Altman plotを使用した。 多施設で構築したAIでの結果は、外れ値は3.7%で、推定NPAと実測NPAの面積差の平均値は+51.09mm2(21DA:乳頭面積)であった。近似曲線はy = -0.1094x + 64.762で、R2 = 0.0094で、誤差の許容範囲(LOA) は600mm2(250DA)であった。単施設から多施設にデータを増やすことにより、誤差は14DAから21DAへ、誤差の許容範囲(LOA)は125DAから250DAへ拡大した。 以上を第4回日本眼科AI学会にて筆頭演者として発表した。 現在さらに精度を向上させるためにデータを増やし他の様々なニューラルネットワークを試している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PraNetベースのディープラーニングを用いて、血管造影を行わずにUWF画像のみからNPAサイズを推定できるAIモデルを多施設のデータを使用し、開発した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度で見極めた効率よく正確なニューラルネットワークいくつかを用い、多数のデータで学習し、一部のデータで実際に学習通りの予後になっているかの確認を行う。画像学習途中の画像を見える化を行い、人工知能が画像のどの部分を見ているかを見いだし、これからNPAになる未知の所見がないかを見極める。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品が予定より安価に購入できたため、端数が生じた。次年度は消耗品を予定通りに購入する。
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