研究課題/領域番号 |
22K16996
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
植村 法子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10568017)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 女性化乳房 / adipogenesis |
研究実績の概要 |
女性化乳房には様々な形態があり、治療結果に影響する。女性化乳房の病因は、androgenとestorogenの不均衡とされ、脂肪組織との関連が指摘されている。脂肪組織については近年、脂肪腫においてadipogenesisが亢進していることが示唆された。応募者は、女性化乳房には3つの臨床型(乳腺型、乳腺+脂肪型、脂肪型)があると考えているが、脂肪組織に着目した研究は少ない。応募者は、adipogenesisに注目し、女性化乳房の臨床3型において脂肪組織の構成(脂肪由来幹細胞や血管等)やアディポサイトカイン発現(leptin、adiponectin等)、遺伝子発現(細胞分化・増殖に関与するHMGA2等)の差、細胞培養で増殖形態や脂肪分化の差を研究し、女性化乳房の発症と形態の差が生じる機序を解明する。 初年度は、既存の手術症例をデータベース化し、約250例の臨床データをまとめた。画像データからの臨床型分類については、片側例では乳腺型60%、乳腺+脂肪型40%、脂肪型0%、両側例では乳腺型5%、乳腺+脂肪型74%、脂肪型21%という所見を得、両側例については、左右差は認めなかった。上記データから片側例と両側例では病態に差があることが示唆された。臨床型分類をするためには一定の画像解析が必要であるが、既存症例のDICOMデータを収集し、現在のところImageJソフトが至適であることを確認した。脂肪組織の構成解析については、まず新規手術症例について院内バイオバンクセンターとの連携で検体採取および保存の体制を構築した。既存の症例について保存標本の利用を検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
検体採取の体制構築に時間がかかり、脂肪組織の構成解析や細胞培養の検討が遅れている状態である。
|
今後の研究の推進方策 |
院内バイオバンクセンターとの連携で、検体採取の体制構築ができたため2023年度に、組織および細胞培養を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度に脂肪組織の解析と細胞培養の検討が進まなかったため、使用額が少なくなってしまった。次年度はこれらの検討を多く行うため初年度から繰り越した費用を使用する予定である。
|