本研究では、口腔扁平上皮癌(OSCC)において、TRPV4シグナルが細胞外環境により異常活性化するメカニズムの解明を目的とした。構築したYAPシグナルを活性化する実験系にて、TRPV4シグナルはYAPシグナルによる発現制御をうけていなかった。一方、OSCC病理標本における遺伝子発現について、DNAマイクロアレイ法を用いて網羅的に検討した。その結果、発癌過程において、p63の発現が上昇し、浸潤癌においてMAPKが活性化することが示唆された。また、OSCC細胞株を用いた研究から新規癌遺伝子ARL4Cの発現はp63とMEK/ERK-MAPKにより協調的に発現制御されていることを見出した。
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