研究課題/領域番号 |
22K17036
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
坂井田 京佑 岡山大学, 大学病院, 医員 (20907927)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Terrein / 骨粗鬆症 / 免疫担当細胞 |
研究実績の概要 |
本研究では,骨粗鬆症マウスモデルを用いて,真菌二次代謝産物Terreinの免疫細胞に対する作用ならびにその機序を検証する。実験条件として,Terrein投与群,PBS投与群(negative control),ゾレドロン酸投与群(positivecontrol)の3群に分けて標的免疫細胞に対するTerreinの薬理効果の検証を行った。 Terreinの標的となりうる免疫担当細胞に対する直接的な抗炎症効果を検証した。好中球に対する効果が強い場合,ヒト白血病細胞株HL-60細胞に1.25 % dimethyl-sulfoxideを添加して好中球様に分化させた後,Terrein投与後のスーパーオキサイド産生能や遊走能等に及ぼす影響を検証した。また,マウスから摘出した腹膜マクロファージを用いて,M1ま たはM2分化に影響を及ぼすかどうかをFlow cytometryを用いて解析した。さらに,FITC蛍光ビーズに対する貪食能の測定やTNF-a等の炎症性サイ トカインやRANTES等のケモカインの産生性をELISA法にて検討した。Th17細胞に対する効果が期待できる場合,通法に従い,マウスナイーブCD4 陽性T細胞を採取し,リコンビナントIL-6(10-30 ng/ml)およびTGF-b(1-5 ng/ml)の存在下で,CD3およびCD28を刺激して培養した。そして ,Terreinを投与した際のIL-17産生能等に及ぼす影響をFACSやELISA法等を用いて検証した。 また,先行研究の結果から,TerreinはCa2+のシグナル伝達経路を抑制する可能性(RANKL誘導性のPKCa/bIIのリン酸化抑制)が示唆される。そのため,上記のin vitroで用いる細胞における,Ca2+の細胞内取り込みを始めとしたCa2+シグナル伝達経路への影響をwestern blotting法で検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス蔓延に伴い,研究活動の遂行が思うようにいかなかった。また手技的に未熟な面もあり,研究データにばらつきが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
社会的な行動制限が概ね解除され,物流も回復傾向にある。当初の計画通り研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験に使用するモデルマウスおよび使用器具を購入予定であったが,物流の停滞により令和5年度中の購入ができなかったため次年度使用額が生じた。令和6年度には十分量が納品可能であると見込まれるためその経費に充てる。
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