研究課題/領域番号 |
22K17037
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 和真 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (60846856)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯髄 / 再生 |
研究実績の概要 |
歯髄間葉系幹細胞 (dental pulp stem cells: DPSC) はその高い増殖能や易回収性により、有用な幹細胞ソースとして様々な組織再生への応用が期待されている。さらに、DPSC は骨髄由来間葉系幹細胞(BMMSC: bone marrow stem cells) と比べて細胞増殖能が高いとの報告もある。しかしながら、DPSC が高い増殖能を維持する機構については十分に明らかとなっていない。そこで本研究では、NCBI の The gene ontology database and informatics resource (GO analysis)から DPSC と MSC の遺伝子発現を whole genomic と比較した研究を抽出し、DPSC が高い細胞増殖能を持つ遺伝子発現基盤を明らかにするために、歯髄組織に高発現する細胞外基質コード遺伝子 MXRA5の発現パターンと MXRA5 が DPSC の増殖に与える影響を調べた。GO analysis のバイオインフォマティクス解析結果のうち、GSE123973 と GSE113297 では、Retinoblastoma 関連分子や Cell cycle、DNA replication の遺伝子発現が BMMSC と比較して DPSC で上昇していることが明らかとなった。さらに、MXRA5 はGSE123973、GSE105145、GSE113297 において、それぞれ全遺伝子中3、341、39番目に DPSC高発現遺伝子であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯髄細胞内でのMXRA5の役割やシグナリングについて,当初の計画通り解析がすすんでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在,in vitro での実験は進んでいるが,in vivoに関してデータがないため,二者の間に整合性があるのか,もしくは相違があれば原因について,解析を行っていく。そして,英語論文への投稿を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は複数回のRNA-seqを計画していたが,今年度は行う回数が少なかった,次年度はサンプル間の比較のため,さらに実験回数を増やしていく。また,今年度は英文投稿を行わなかったため,次年度に支出が増えると想定される。
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