研究実績の概要 |
本研究では、『糖尿病自然発症モデルにおいてLPS歯肉溝滴下歯周炎モデルの病態、歯周炎発症後に糖尿病の病態は悪化するのか』を検討している。 【実験 LPS歯肉溝滴下歯周炎モデルにおいて糖尿病発症が歯周病に及ぼす影響】Wistar系ラット雄(WT, 9週齢)と、Wistar fattyラット雄(9週齢)に麻酔下で上顎右側第一臼歯口蓋側歯肉溝にマイクロピペットを用いてA a Y4由来LPS (50 μg/μl)を懸濁したPBS を滴下投与する。LPS懸濁液 合計18 μl(3 μl×6 回)を1日あたり30 分間滴下し、各滴下の間隔は5分間とする。コントロール(WT)群には同様の方法でPBSを歯肉溝に滴下する。5日目および10日目にマイクロCT撮影を行い、歯槽骨吸収量を測定する。10 回目の滴下の1時間後に屠殺する。LPSの歯肉溝滴下のみで糖尿病ラットに歯周炎モデルが作製できない場合には、従来の方法通り、LPS歯肉溝滴下開始前にLPS感作を行う。Complete Freund’s adjuvant で乳化したA.actinomycetemcomitans LPS 150 μg 含有PBS 0.3 mlを腹腔内投与し、さらに28日後にIncomplete Freund’s adjuvant で乳化したLPS 150 μgを含有PBS 0.3 mlを腹腔内投与する。屠殺直後に右側上顎骨を摘出し、4%パラホルムアルデヒドを含むリン酸緩衝液(pH7.4)にて4 °Cで10 時間固定する。10%EDTA-2Na(pH7.4) にて4 °Cで3 週間脱灰したのち、AMeX 法にてパラフィン包埋し、上顎右側第一臼歯の頬舌的な連続切片(厚さ4 μm)を作製する。現在、病理組織学的観察のため、切片をヘマトキシリン・エオジン染色(H.E.染色)し、組織学的計測を行っている段階である。
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