今後の研究の推進方策 |
研究中断前に行った予備実験を元に、当初の研究計画に基づき糖尿病関連歯痛のメカニズムの解明においては、従来用いている2型糖尿病モデルラットの血流状態を微小血管領域まで含めて可視化し、病的な血管障害状態を観察することを最初に行う予定である。その後疼痛評価として疼痛に関与したTRPチャネルの活性化(Wang, Diabetes, 2018)などを指標として、炎症との関わりを探る予定である。これは、糖尿病モデルラットの歯髄内に血管障害に伴う低酸素に関連した炎症の惹起といった器質的変化が認められることから区別が可能であると考えている。歯髄内における炎症の有無については歯髄内のHE染色、免疫組織化学染色による組織学的評価を行い、疼痛の評価を行った上で、AGEsが糖尿病歯髄に与える影響を明らかにしたい。 AGEsが糖尿病歯髄に与える影響の評価は、歯髄内石灰化物、微小血管の評価をCT,走査型電子顕微鏡による構造学的評価にて行い、糖化ストレスや低酸素ストレス、炎症反応については組織学的評価を行う予定である。 さらに、糖尿病性歯痛の原因のひとつと考えられるAGEsに対し、AGEs阻害剤を用いた歯髄内血流の変化と血管内での糖化産物沈着様相の比較を免疫組織化学染色・分析化学的評価、μCTおよび走査型電子顕微鏡による評価を行い血管の脆弱化を抑え血管障害発生の評価を行い予防的緩和法を検討する計画である
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