(1)In vitro実験系でのropiniroleの抗炎症作用の解析 carrageenanおよびIL-17A刺激によるGE1細胞(マウス歯肉上皮細胞株)のCXCL1、IL-17receptor A(IL-17RA)発現について検討した。定量PCRにおいてcarrageenanはGE1細胞のCXCL1、IL-17RA発現を上昇、IL-17A刺激はCXCL1発現のみ上昇させた。次にropinirole、haloperidolのGE1細胞のCXCL1、IL-17RAの発現上昇への影響について検討した。定量PCRおよびELISAにおいて、IL-17A共存に関わらずCXCL1、IL-17RA発現をropiniroleは低下させ、haloperidolは上昇させた。 (2)歯周病モデルラットにおける組織学的評価および歯槽骨吸収の評価 対照群をPBS群、実験群をcarrageenan(CA群)とcarrageenanにropinirole(CA/RP群)、haloperidol(CA/HR)を用いた群とした。3種混合麻酔をWistarラットに腹腔内投与し、麻酔下にてラットの上顎第一~第三臼歯口蓋側歯肉を#12メスで歯肉溝切開、剥離子で歯肉弁を剥離し、上記絹糸を上顎第二臼歯周囲に挿入した。週1回絹糸を交換し、4週間後にsodium pentobarbitalにて安楽死させ、採取した上顎第二臼歯口蓋側歯肉を4%PFA固定、顎骨を70%EtOH固定した。歯肉組織をHE染色にて評価し、CA群ではPBS群と比較してリンパ球や好中球の浸潤を認めたが、CA/RP群では低下し、CA/HR群では増加した。次にμCTを用いて、両側上顎第二臼歯口蓋側中央部のCEJ~歯槽骨頂の垂直距離を測定すると、CA群と比較してPBS群では垂直距離が長かったが、CA/RP群では短くなり、CA/HR群ではさらに長くなった。
|