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2022 年度 実施状況報告書

乳酸を用いたエネルギーメタボリズム活性型・新規歯周組織再生治療の創製

研究課題

研究課題/領域番号 22K17084
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

中田 貴也  大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (40803317)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード乳酸
研究実績の概要

近年の研究報告において, 乳酸は組織再生や硬組織の分化に重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。申請者らは低グルコース環境における乳酸欠乏によって, 歯根膜幹細胞の硬組織形成を阻害することを発見し, 乳酸が歯周組織再生を促進するエネルギー源となる可能性を見出した。
本研究では, 乳酸をヒト歯根膜幹細胞に作用させ, 歯周組織再生のマーカー(硬組織形成, 骨芽細胞分化)にどのような影響を及ぼすか分子生物学的・遺伝子レベルでの検討を行う。
歯周組織再生における乳酸の作用機序およびシグナル伝達経路をウェスタンブロットにて分子生物学的レベルで解明する。
またマイクロアレイ(網羅的遺伝子解析)を行い, 有意に増加または減少している遺伝子を調べることによって, 乳酸が歯周組織再生を促進する際に発現する未知の遺伝子を探索し作用機序を明らかにする。
またラットを用いた動物実験による臨床モデル試験を実施し,「生理活性物質」としての乳酸が歯周組織再生に有用であるのか, そのメカニズムを解明することを目的とする。さらに, 本研究で得られた成果をもとに,乳酸製剤を用いた新規歯周組織再生治療を開発するための基盤を構築し, 今後の歯周治療臨床に貢献できる治療法を樹立することができるものと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

乳酸を歯根膜幹細胞に作用させると、歯根膜幹細胞の増殖と分化を促進することが明らかになった。現在、ラットを用いた動物実験の準備をしており、当初の計画通りおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

現在、乳酸が硬組織形成に効果があるか検討を行うため、ラットを用いた動物実験の実施に向けて準備を行っている。

次年度使用額が生じた理由

購入費が安く済んだため、次年度の物品購入に充当する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Intracellular glucose starvation inhibits osteogenic differentiation in human periodontal ligament cells2023

    • 著者名/発表者名
      Deng X, Kato H, Taguchi Y, Nakata T, Umeda M.
    • 雑誌名

      J Periodontal Res

      巻: 58 ページ: 607-620

    • DOI

      10.1111/jre.13112.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Glucose Starvation-Caused Oxidative Stress Induces Inflammation and Autophagy in Human Gingival Fibroblasts2022

    • 著者名/発表者名
      Li R, Kato H, Taguchi Y, Deng X, Minagawa E, Nakata T, Umeda M.
    • 雑誌名

      Antioxidants

      巻: 11 ページ: 1907

    • DOI

      10.3390/antiox11101907.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 低グルコース環境が骨芽細胞様細胞の増殖能と硬組織分化能に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      万代千晶,嘉藤弘仁,田口洋一郎,李 潤伯,鄧 信,吉村公博,中村百合香, 中島幸市朗,中田貴也,梅田 誠
    • 学会等名
      第65回春季日本歯周病学会学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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