研究課題/領域番号 |
22K17087
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
押部 成美 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (50850559)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 再生医療 / 口腔粘膜再生 / インプラント治療 / 自己血漿 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、iPRFの組織再生効果を最大限に引き出すため、in vitroにて異なる遠心条件により作製したiPRFの成分や形態、成長因子量の違いを明らかにし、またこれらの違いが線維芽細胞培養系に及ぼす効果を明らかにすることで作製時の遠心条件の最適化を行い、in vivoにて口腔粘膜の創傷治癒や組織再生への有効性を評価することである。 上記目的を達成するため、令和5年度の研究実施計画として遂行すべき内容は、「材料の抽出」「in vitro評価」であった。健常なヒトから採血を行い、異なる3条件で作製したiPRFを実験群として、全血液、PRPを対照群とし、成分分析や成長因子の定量分析(ELISA)、SEMを用いた形態学的分析、細胞試験、遺伝子解析を行う予定であった。しかし、血液は性差や個人間、材料抽出時の健康状態により比重や成分も異なり、遠心分離にて得られるiRFの量にも材料間での誤差が大きかったり、遠心条件によっては材料が十分に抽出できないことがわかった。また、iPRFの抽出の際には、抗凝固薬を使用しないこともあり、材料抽出時に作業時間・操作時間が長くなると材料が凝固してしまうという問題もあり、安定した材料の抽出が難いこともわかった。 臨床応用の場では、常に安定した材料の抽出が行えることが前提となるため、文献的な考察、検討も加えながら材料抽出における遠心条件、作業条件を現在再考中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
育児と臨床の両立
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、「材料の抽出」「in vitro評価」を継続する。文献的検討も行いながら、「材料の抽出」における遠心条件を再考し、安定した材料の抽出ができ、かつ臨床的にも組織再生効果の高いと思われる条件を再設定する。その後、in vitroの実験に取り掛かる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は育児と臨床業務と研究業務との両立により、研究が遅延した。そのため、次年度に基金を繰り越し、引き続き本研究活動を継続する。 使用計画については、引き続き「材料の抽出」や「in vitro評価」を行うため、消耗品や試薬の購入や、研究成果発表のための学会費用などに使用予定である。
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