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2023 年度 実施状況報告書

義歯装着が高齢者の歩行運動に及ぼす効果ー新しい3次元解析システムによる検討ー

研究課題

研究課題/領域番号 22K17121
研究機関朝日大学

研究代表者

渡邊 諒  朝日大学, 歯学部, 講師 (00836942)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード歩行 / 義歯 / 転倒 / 咬合支持 / 筋電計
研究実績の概要

咬合と歩行の関連性を研究するにあたり、「咬合接触の有無」を客観的に判断する方法の策定が必要であると考えた。多因子の影響をうける歩行運動を解析するにあたり、母数が必要であり、計測の簡便さも求められることから、咀嚼筋群の1つである咬筋の活動を測定することが有用であると思われる。義歯の使用による咬合の有無を咬筋の活動で評価可能かを判断するために、無線型筋電計を用いて計測し検討を行った.咀嚼筋群および顎関節に異常を認めない満20歳以上の成人男性10名を対象とした。測定機器はDataLITE(Biometrics、英国)を用い、記録・解析ソフトはTraias2(株式会社Q’sFIX、東京)を用いた。クレンチング時中の最大振幅を基準とした1秒あたりの筋活動量で評価した。計測項目として、下顎安静位(rest position)、閉口(歯を接触する状態 (tooth contact)、最大咬合(clenching)の3項目を各5秒間1セットとし、同一部位へ再貼付を行いMVCを15セット計測した。安静時は0.48%、閉口時は0.52%、クレンチング時は15.9%であった.筋電計はデータの再現性が乏しく、測定誤差の因子が多数存在する。同被験者であっても、計測の度に測定値が異なることが多い。そのため本器材を用いる際は、筋電計貼付の度に最大咬合による最大振幅を計測することによって、試技中の咬合の有無を判断することが可能と考えられる。
無線型筋電計を使用することで有意識下での随意的咬合の鑑別が行えたことから、高齢者の義歯の使用やスポーツ選手のマウスガード使用における、意識的咬合の有無について、本方法にて計測、客観的判定に用いることが可能と考えられた。また、無意識下でも本法により、試技中における咬合の有無を評価できる可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度における施設制限により計測可能な機会が限られたことが主な原因である。
本研究においてメインで使用するFrameDIAS6について、研究計画では実長と解析データの整合性がとれている前提で計画していたが、前研究を含め、本機材の正確性・精度についての精査が行われておらず、既存文献からも確認することができなかった。そのため、対人実験を行う以前の問題として、本機材の精度実験から行う必要性があり、現在慣行中である。以前使用していたデジタルカメラでは、画像解析時に肉眼での識別が困難な場合があったため、新たに高精度のデジタルカメラを購入したが、搬入まで長期間有することとなってしまった。
咬合の確認のために使用する筋電計においては、本研究から新たに採用した機材であり、本研究の趣旨に沿った計測が可能かどうかを判定した。筋電計については対人による評価研究を完了し、本主題研究に応用可能であることを確認した。

今後の研究の推進方策

今後早急にFrame DIASの精度実験を敢行し、本研究に信頼の置ける評価が行えるかを判断する。また、近年のカメラおよび空間認知機能の向上から、マーカーを手動入力しなくてすむ他の自動追尾機能を有するモーションキャプチャーがでてきていることから、本研究を円滑に遂行するために研究器材の適宜変更も検討している。
被験者のうち、コントロール群となりうる若年者の解析を開始し、筋電計との相互性を確認していく。本研究で用いる器材で求められる数値が、既存論文から逸脱していないことを確認し、それに伴い解析範囲、比較部位の検討を行い高齢者での解析のプロトコールを確立させる予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究・解析を遂行するに当たり、モーションキャプチャー精度の向上から、作業効率の高い物への移行を検討している。そのための器材獲得、整備充実のための費用を必要とする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 筋電計による咬合の評価方法についての検討2023

    • 著者名/発表者名
      渡邊諒
    • 学会等名
      公益社団法人日本補綴学会

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公開日: 2024-12-25  

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