研究課題/領域番号 |
22K17132
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
副田 弓夏 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (40908050)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | CAD/CAM / ノンメタルクラスプデンチャー / 部分床義歯 / ミリング / PEEK |
研究実績の概要 |
ノンメタル部分床義歯は、口を開けたときに見える金属クラスプ部分にポリアミド系やポリエステル系の弾性を有する熱可塑性樹脂を用いることで、審美性に優れるという利点から臨床応用されているが、見えない部分に金属が使用されていることが一般的で、メタルの部分をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製のフレームワークにすることでメタルフリーなノンメタル部分床義歯も開発されたが、ノンメタル部分床義歯が材料の取り扱いが難しく、フルデジタル化は行われていない。 PEEKフレームと人工歯を埋入した弾性を有する熱可塑性樹脂によるカスタムディスクを切削加工することで、フルデジタルによりノンメタル部分床義歯を製作する方法を確立すべく、2022年度は、PEEKフレームのオフセット量の検証とカスタムディスクの外枠におけるPEEKフレームのソケットの形状に関する最適設計の検証を行う予定であったが、まずPEEKフレームをデジタルで製作するにあたり、FDM方式の3Dプリンタで造形したPEEKフレームにおけるパラメータの最適値を決定するため、試験的にPEEKフレームを製作して検証を行った。また、FDMプリンタで造形したPEEKの積層方向を変えた際の基礎的物性評価を行うため、曲げ試験や義歯床との接着評価に関しても準備中である。また、ノンメタル部分床義歯の義歯床の部分である弾性を有する熱可塑性樹脂をカスタムディスクに射出成形するために、カスタムディスクの形状の検証も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フルデジタルによるノンメタル部分床義歯製作方法の確立に向けて、2022年度は、PEEKフレームのオフセット量の検証とカスタムディスクの外枠におけるPEEKフレームのソケットの形状に関する最適設計の検証を行う予定であったが、まずPEEKフレームをデジタルで製作するために、FDM方式の3Dプリンタにて造形したPEEKフレームに対するパラメータの最適値を決定するため、試験的にPEEKフレームを製作して検証を行ったところである。現在、ある程度の最適オフセット量は推定できているが、より最適なPEEKフレームのソケット部の形状を模索している段階である。よって、ソケット部の形状を決定すため、実際にノンメタル部分床義歯をフルデジタルにて製作し、オフセット量の最適値を確認しているところであり、完了までには至っていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、フルデジタルでのノンメタル部分床義歯の製作における最適設計を確立するためにPEEKフレームのオフセット量の検証とカスタムディスクの外枠におけるPEEKフレームのソケットの形状に関する最適設計の検証を引き続き行い、それにより実際に製作されたノンメタル部分床義歯の精度検証を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後休暇と育児休業の取得のため、年度途中で研究を中断することとなったため、次年度使用額が生じた。研究を再開した場合に、中断していたところから翌年度分と合わせて当初の計画通り研究を進めていく予定である。
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