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2022 年度 実施状況報告書

CAD/CAM冠用レジンへの接着性向上:新規プライマーを用いた接着機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K17136
研究機関大阪大学

研究代表者

萩野 僚介  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70909449)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード接着歯学 / CAD/CAMレジン冠 / 被着面処理
研究実績の概要

本年度はシラン処理および新規MMA含有プライマー処理が大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロックに対する接着性レジンセメントの接着性に与える効果を検討した.
試料作製:大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロック(カタナアベンシアPブロック:P82)および試作ブロック(フィラー半減ブロック:P41, フィラーなしブロック:P0)を,7mm×7mm×4mmに切断し,耐水研磨紙にて研磨後,アルミナブラスト処理した.各試料に対し新規MMA含有プライマー処理(MMA)またはシラン処理(Si)を行った後,接着性レジンセメント(PanaviaV5)を高さ4mmになるまで2mmずつ積層し光照射を行った.
微小接着引張試験: 作製した試料を37°C水中に24時間浸漬した後,接着界面に直交するように0.7mm×0.7mmの試料を切り出し,小型卓上試験機 (EZTest)にてクロスヘッドスピード1.0 mm/minで微小接着引張試験を行った. P82群においてはSi群が新規MMA含有プライマー処理であるMMA群より高い接着強さを示した(P<0.001)一方で,フィラー含有量の少ないP41群ではSi群とMMA群間に有意差を認めず,フィラーを含まないP0群ではMMA群はSi群より有意に高い接着強さを示した.また,MMA群において,フィラー含有量が少ないほど高い接着強さを示した(F0vs.F41:P<0.001, F41vs.F82:P<0.001).
以上の接着試験の結果から,新規MMA含有プライマー処理は,大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロックのマトリックスレジンに対して接着性を示し,ブロックのフィラー含有量の影響を受けることが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的の達成度に関しては,大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロックに対して,新規MMA含有プライマー処理が接着性を有することが明らかになったことから,新規MMA含有プライマー処理の有用性を捉えることができており,おおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

接着試験により接着直後の有効性が明らかとなったが,水中保管期間を増やした長期予後データを確認するとともに,接着界面および破断面のSEM観察およびTEM観察を行い,多角的な検討を行う.

次年度使用額が生じた理由

引き続き実験の継続,学会等への参加,論文作成費に使用する予定である.

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公開日: 2023-12-25  

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