本研究ではインプラント治療を受ける患者のビタミンK充足度と顎骨との関連を明らかにし,さらに動物実験においてビタミンK投与による影響を検討することにより,口腔インプラント治療へのビタミンKによる栄養学的アプローチの有効性を検討することを目的とした.まずインプラント術前患者のビタミンK充足度(血中ucOC濃度)と下顎骨との関連を検討したところ,血中ucOC濃度と下顎骨皮質骨幅の負の相関が明らかとなった.また動物実験では,ビタミンK2投与により皮質骨幅は増大傾向を示した.以上より,ビタミンKは皮質骨幅に関連しており,ビタミンKによる栄養学的介入がインプラント治療に有効な可能性が示唆された.
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