研究課題/領域番号 |
22K17149
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武田 裕利 東北大学, 大学病院, 助教 (60806339)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 薬剤関連顎骨壊死 / リンパ球 |
研究実績の概要 |
本研究は薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)におけるリンパ球系細胞の免疫応答を解析し抗原特異性の有無、および骨代謝における免疫細胞との相互作用を明らかにすることを目的とし、本研究を遂行するために以下詳細な目的を設定している。 1.MRONJにおける局所炎症の抗原特異性の解析、2.MRONJにおける免疫細胞と破骨・骨芽細胞との相互作用の解析、3.MRONJ患者の末梢血におけるリンパ球系細胞の免疫応答の解析 R4年度はまずMRONJにおける局所炎症の抗原特異性の解析を行うことを予定している。まず臨床的なデータを集積・解析を行った。MRONJに対する外科手術前の血清データにて、術後の予後良好な群ではリンパ球数が有意に多く、好中球や血小板、単球、CRP、総タンパク、Albuminでは有意差は認めなかった。術後予後不良な群においてリンパ球数は有意に低下していたことがわかった。このことに着目し、MRONJにおけるリンパ球のサブセット解析をまず行うこととし、マウスの骨髄細胞をin vitroにてM-CSFとRANKLを添加して破骨細胞に誘導をかけ、骨吸収抑制薬のゾレドロネートを添加させることでin vitroでの破骨細胞のアポトーシスを誘導させた。 R5年度は症例の蓄積を行なった。各種症例の解析にてリンパ球数全体の比率が明確化した。現在、ヒトから採取したT細胞受容体レパートリー解析に向けてその症例蓄積を行なっている。またin vitroでの解析では各種リンパ球との共培養に伴うサイトカイン産生に向けて実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手術適応患者が昨年度少なく、ヒト患者サンプルの蓄積に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
R6年度は主にin vivoでのMRONJモデルマウスを用いた研究を行う。MRONJマウスを用いて各種リンパ球系細胞(T細胞、B細胞、NKT細胞、NK細胞)の細胞数、そのサブセットおよびサイトカイン産生をフローサイトメトリーにて解析し、リンパ球系細胞各種の免疫動態を明らかにする。MRONJマウスの病変部分を採取し、第三世代免疫受容体解析法によってT細胞受容体、B細胞受容体のレパートリーを明らかにする。具体的には、MRONJマウスの病変部分からtotal RNAを抽 出し通法にてcDNA合成、次世代シークエンサー用のライブラリー作成を行う。その後、独自開発した免疫受容体遺伝子構造解析ソフトウェアを用いてレパートリーを解析する。その解析方法を構築した後はヒトサンプルでの解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に関わる消耗品が現存の物品で対応可能であったため。
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