研究課題
Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw(MRONJ)はほとんどがビスホスホネート(BP)や抗RANKL抗体などの骨吸収薬の使用によって顎骨に生じる難治性の有害事象である.これまでMRONJ研究に取り組み,MRONJの治療法の一つとしてPTHが効果的である可能性を示してきた.しかしながら,現実問題としてテリパラチドのようなPTH製剤の全身投与は発がん性の問題から使用期間が限定されていること,また,MRONJの誘因として乳がんや前立腺がんなどの骨転移や,それに伴う疼痛緩和のために骨吸収抑制剤が投与されているケースが多いにも関わらず,担がん患者にPTHを全身的に用いることができないなどのパラドクスを生じる.そのため,PTHの補助療法,さらにはPTHとは異なるアプローチによるMRONJの治療法を開発していく必然性は依然として残っている.昨年度までに,BMP-3bのコンベンショナルノックアウトマウスを入手し,大腿骨のマイクロCT解析を行ったところ,ノックアウトマウスで骨量が増加していた.BMP-3bは骨形成を担う骨芽細胞に発現し,骨吸収を担う破骨細胞にはほとんど発現していなかったことからBMP-3bはIn vivoにおいても骨形成を抑制している可能性が示唆された.ところで,MRONJと炎症は密接に関連している.そこで,ヒトの炎症性細胞(血球細胞)におけるBMP-3bの発現を調べた.すると,T-cells,B-cells,Plasma cells,Granulocytes,Macrophages,およびLangerhans cellsに発現が認められた.
2: おおむね順調に進展している
順調にデータが出てきるため.
んわれわれの仮説を補強する追加のデータを採取し,なるべく早い時期に論文を投稿したい.
COVID-19の余波のためWeb開催の学会が多く,旅費の支出が予定よりも少なかった.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
巻: 35 ページ: 341~346
10.1016/j.ajoms.2022.12.004