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2022 年度 実施状況報告書

4本鎖DNAを標的とした新規癌治療薬の臨床応用に向けた作用機序解明と毒性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K17164
研究機関九州歯科大学

研究代表者

福田 晃  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30908223)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードテロメア / テロメラーゼ / 4本鎖DNA / 4本鎖DNA結合性化合物 / 抗癌剤 / アポトーシス
研究実績の概要

申請者らによるこれまでの研究から、cAQ や cNDI に関して細胞増殖抑制やアポトーシス誘導効果が正常細胞と比較して癌細胞に対し高い特異性を示し、さらに cAQ ではマウスを用いた実験で2週間程度の連続投与では有害作用を認めないという癌治療薬として有望な結果を得ている。一方、作用機序については試験管内実験で確認されたテロメラーゼ活性の抑制効果のみによるのか不明であること、高用量・長期間投与時の有害作用発現の有無やマウスより大型の動物における安全性について不明である。これらを踏まえて本申請期間中は cAQ の新規癌治療薬としての臨床試験への展開を目指し、基盤となる作用機序解明につながる基礎データの取得と動物へ高用量・長期間投与時による有害作用発現の有無に関する知見を得る。
化合物をラットや犬に対して静脈内投与し、毒性について健康状態を一定期間(急性・慢性)観察後に剖検し、各臓器への影響を生化学的および病理組織学的に検討した。生理食塩水を投与したコントロール群と比較して化合物を投与した群では、体重、水分・食餌摂取量、排泄物量の軽度減少が認められたものの大きな差はなかった。また、腎臓および肝臓機能について採血して生化学検査を行ったところ、明らかな機能異常を認められなかった。新規化合物を静脈内投与した結果、明らかな毒性を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラットを用いた新規化合物の毒性実験についておおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

①cAQ 処理細胞を用いた網羅的遺伝子発現解析と標的候補分子の挙動確認
異なる時間・濃度の cAQ で処理した癌由来細胞株における発現遺伝子について、未処理細胞における発現遺伝子との差異を網羅的に解析する。その際、環状構造とする置換基をもたない AQ などもコントロールに加えて、DNA G4 構造への結合特異性の向上の効果の検討も考慮する。得られた遺伝子発現変化のプロファイリングから標的遺伝子や影響を受けるシグナル経路の候補を抽出し、詳細な作用機序解明につながる以後の研究の方向性を決定する。
② cAQ の薬物動態の解析
試験管内での物性的安定性についてはデータを得ているが、投与後の体内における安定性に関する知見はない。血中の cAQ 量を測定する系を連携研究者の竹中博士らの協力のもと確立し、マウスその他の動物に静脈内投与した化合物の経時的な変化を解析する。

次年度使用額が生じた理由

次年度は下記研究計画を進展させる。
①cAQ 処理細胞を用いた網羅的遺伝子発現解析と標的候補分子の挙動確認:異なる時間・濃度の cAQ で処理した癌由来細胞株における発現遺伝子について、未処理細胞における発現遺伝子との差異を網羅的に解析する。その際、環状構造とする置換基をもたない AQ などもコントロールに加えて、DNA G4 構造への結合特異性の向上の効果の検討も考慮する。得られた遺伝子発現変化のプロファイリングから標的遺伝子や影響を受けるシグナル経路の候補を抽出し、詳細な作用機序解明につながる以後の研究の方向性を決定する。
② cAQ の薬物動態の解析:試験管内での物性的安定性についてはデータを得ているが、投与後の体内における安定性に関する知見はない。血中の cAQ 量を測定する系を連携研究者の竹中博士らの協力のもと確立し、マウスその他の動物に静脈内投与した化合物の経時的な変化を解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Anti-cancer effects of novel cyclic naphthalene diimide derivatives2022

    • 著者名/発表者名
      福田晃,土生学,高橋理,笹栗正明、冨永和宏,竹内弘
    • 学会等名
      アジア口腔顎顔面外科学会
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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