歯根膜には間葉系幹細胞が存在し、骨形成細胞への分化を介して抜歯窩修復に寄与する。我々は、既知の歯根膜細胞画分であるAxin2陽性細胞への抜歯窩修復骨への寄与率が低いことを見出した。この所見を基に、抜歯窩修復に寄与する他の幹細胞画分が存在することを想定している。本研究では、新たな歯根膜幹細胞画分の同定を目的とし、以下のことを見出した。(1)抜歯窩修復に寄与する幹細胞は血流に由来しない。(2)Axin2陽性およびGli1陽性細胞は歯根膜全体に局在し、両者の数に有意差は認められない。(3)Gli1陽性歯根膜細胞は、Axin2陽性歯根膜細胞と同様に、抜歯窩修復骨への寄与率は低い。
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